曽爾(村)(読み)そに

日本大百科全書(ニッポニカ) 「曽爾(村)」の意味・わかりやすい解説

曽爾(村)
そに

奈良県北東部、宇陀(うだ)郡にある村。『古事記』に蘇邇(そに)、『日本書紀』に素珥山(そにやま)と記される。村のほぼ中央を名張(なばり)川の支流青蓮寺(しょうれんじ)川の上流部である曽爾川が北流する。曽爾川の渓谷は奥香落渓(おくこおちだに)とよび、三重県側の青蓮寺川の香落渓(口香落)に続いている。左岸には室生(むろう)火山群の一部をなす「兜(かぶと)岩、鎧(よろい)岩、屏風(びょうぶ)岩」(国の天然記念物)などの柱状節理が断崖(だんがい)となってそびえ、右岸には倶留尊(くるそ)山、古光山麓(こごうさんろく)の曽爾高原が広がり、国立曽爾青少年自然の家がある。奥香落渓周辺は室生赤目青山国定公園に含まれている。磨き丸太などの林業米作のほかに、トマト、ホウレンソウなどの蔬菜(そさい)栽培が行われる。村の南部を国道369号(伊勢(いせ)街道)が走る。江戸時代中期に始まったとされる曽爾の獅子舞(ししまい)は県の無形民俗文化財に指定されている。面積47.76平方キロメートル、人口1295(2020)。

[菊地一郎]

『『曽爾村史』(1972・曽爾村)』


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