デジタル大辞泉
「更更」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
さら‐さら【更更】
〘副〙 (
副詞「さらに」の語根「さら」の重なったもの)
① いっそう。ますます。さらに。
※
万葉(8C後)一四・三三七三「多摩川にさらす手づくり佐良佐良
(サラサラ)に何そこの子のここだ愛
(かな)しき」
② あらためてまた。いまさら。さらに。
※万葉(8C後)一〇・一九二七「
石上(いそのかみ)布留の
神杉神
(かむ)びにし吾れや更々
(さらさら)恋にあひにける」
③ (否定の語を伴って) 決して。絶対に。一向に。少しも。さらに。
※
古今(905‐914)神あそびの歌・一〇八三「
美作(みまさか)や
久米のさら山さらさらにわが名は立てじ
万代(よろづよ)までに〈よみ人しらず〉」
※仮名草子・竹斎(1621‐23)上「御かど出の折ふしも、さらさらわれはぞんぜぬぞ」
[語誌](1)「さらに」と同様、否定と呼応する
陳述副詞と、呼応しない状態副詞と両方が見られる。
(2)「に」を伴った「さらさらに」は歌に見え、
序詞を受け、さらに
擬声語「さらさら」と
掛け詞になるなど、
用法も限られている。これに対して「さらにさらに」は否定を強調する例に限られ、会話文や
消息文に用いられるなど使い分けが見られる。
(3)
現代語の「さらさら」は否定強調にのみ用いられるが、これは近世頃から見られる否定強調に用いた「さら」を反復し強調して生じたもの。
さらに‐さらに【更更】
〘副〙 (副詞「さらに」の重なってできたもの) =
さらに(更)④
※枕(10C終)二七七「なにか、なほこの世は さらにさらにえ思ひ捨つまじと」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報