精選版 日本国語大辞典 「更に」の意味・読み・例文・類語
さら‐に【更に】
〘副〙
※続日本紀‐天平神護元年(765)三月五日・宣命「淡路に侍り坐(ま)す人を率て来て、左良仁(サラニ)帝と立てて」
② 一つの事実が、時間の経過と共にその程度を増すことを表わす。いっそう。ますます。
③ 一つの事実が決定的となった時点で、その事実への拒否、抵抗、疑惑などの感情が、もはや新鮮な意味を失ったことを表わす。今さらのように。事新しく。ことあらためて。いまさら。
※枕(10C終)一四二「いでさらに、言へば世の常なり」
※源氏(1001‐14頃)若菜上「さらになにごとをかは疑ひ侍らむ」
※古事記(712)下「然らば更(さら)に為むすべ無し。今は吾を殺(し)せよ」
⑤ あまり好ましくなく名誉でない一つの事実が、決定的に完全に成立することを認める肯定の気持を表わす。いやでも。すっかり(…してしまった)。
※枕(10C終)一四三「御返りごと書きてまゐらせんとするに、この歌の本(もと)さらにわすれたり」
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