日本大百科全書(ニッポニカ) 「暦売り」の意味・わかりやすい解説 暦売りこよみうり 暦を売る商人のこと。戦国時代ごろから伊勢(いせ)暦が、さらに江戸時代に入って、京暦、江戸暦、会津暦、三島暦、奈良暦、薩摩(さつま)暦、南部の絵暦(盲(めくら)暦)などが各地で売られた。京坂では「大小柱(はしら)暦、巻(まき)暦」、江戸では「来年の大小柱暦、綴(とじ)暦」と呼び声をあげて売り歩いた。これらの暦は、とくに農・漁業に便利なので、1873年(明治6)に陽暦に改められたのちもなお用いられ、現在でも社寺の縁日などで売られている。[片岸博子] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例