暑寒別岳(読み)ショカンベツダケ

デジタル大辞泉 「暑寒別岳」の意味・読み・例文・類語

しょかんべつ‐だけ【暑寒別岳】

北海道中西部、増毛ましけ山地最高峰の山。標高1492メートル。暑寒別天売焼尻国定公園に属する。

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日本歴史地名大系 「暑寒別岳」の解説

暑寒別岳
しよかんべつだけ

増毛町の南部にある成層火山。空知支庁雨竜うりゆう郡雨竜町・北竜ほくりゆう町などの境にあたる。増毛山地のほぼ中央に位置し、南東に南暑寒岳(一二九六・三メートル)南西群別ぐんべつ(一三七六・三メートル)などがある。南北流する暑寒別川・箸別はしべつ川・新信砂しんのぶしや川などの水源となっている。標高一四九一・四メートル。近世にはマシケ岳ともよばれ(板本「西蝦夷日誌」)、「西蝦夷地日記」に「マシケ嶽の頂上雲有之時はヲフイより先必向風等に而渡海不相成」と記される(文化四年一〇月四日条)玉虫「入北記」に「シヨカンベツ山」とみえ、年中雪が絶えず、遠見でも冷気を催すという(安政四年六月三日条)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「暑寒別岳」の意味・わかりやすい解説

暑寒別岳
しょかんべつだけ

北海道西部、増毛山地(ましけさんち)の中央にある山。標高1491メートル。第四紀の火山岩類からなり、山体は侵食が進んでいる。周辺の雄冬(おふゆ)山、浜益(はまます)岳、群別(ぐんべつ)岳などとともに暑寒別火山群を構成し、黒雲母(くろうんも)、角閃(かくせん)石を含む安山岩類が特徴。暑寒別岳東方の溶岩台地には雨竜沼湿原(うりゅうぬましつげん)とよばれる広大な高層湿原があり、ホロムイスゲ、ツルコケモモなどの植物が豊富で、尾瀬(おぜ)と並ぶ秘境形成する。一帯は暑寒別天売焼尻国定公園域で、植物群は北海道の天然記念物に指定されている。なお、雨竜沼湿原は2005年(平成17)に、ラムサール条約登録湿地となった。

岡本次郎


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改訂新版 世界大百科事典 「暑寒別岳」の意味・わかりやすい解説

暑寒別岳 (しょかんべつだけ)

北海道中西部,増毛(ましけ)山地の最高峰。標高1492m。暑寒別川の上流をかこんで,群別(ぐんべつ)岳(1376m),浜益岳などの諸峰がこれに連なる。これらは暑寒別火山群とよばれ,洪積世にはすでに噴出活動を終わった古い火山で,噴出物には溶岩流が多く,平たんな緩傾斜面には溶岩流動面が各所に残っている。山体は著しく浸食されて,もとの火山形態をとどめないが,緩傾斜の円錐状火山またはいくつかの火山が成長する過程で結合して一つの山体を形成したものが,その後の開析によって数個の山頂に分かれたものとされている。一帯は道立自然公園に指定され,東麓にある雨竜沼は高山性湿原植物の群落で知られる。日本海に近く季節風の影響を直接受けるため積雪も多い。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「暑寒別岳」の意味・わかりやすい解説

暑寒別岳
しょかんべつだけ

北海道西部,増毛町にある火山。標高 1491m。増毛山地の主峰。更新世に火山活動を終了した古い火山で,火山体は著しく侵食され,原形の識別は困難である。溶岩は玄武岩,角閃石,輝石安山岩からなり,日本海に臨む西麓は海食崖を形成。1962年暑寒別道立自然公園に指定,1990年天売島,焼尻島とともに暑寒別天売焼尻国定公園に指定。

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世界大百科事典(旧版)内の暑寒別岳の言及

【雨竜[町]】より

…人口3825(1995)。石狩川の北西岸に位置し,西端に暑寒別岳(1491m)がそびえ,町域の大部分を増毛(ましけ)山地が占め,森林面積は7割に達する。1891年華族組合農場の設置によって開け,東部の平野部は恵岱別(えたいべつ)川,尾白利加(おしらりか)川に水利を得て早くから水田の造成が進み,水田地帯が展開している。…

※「暑寒別岳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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