晴晴(読み)はればれしい

精選版 日本国語大辞典 「晴晴」の意味・読み・例文・類語

はればれ‐し・い【晴晴】

〘形口〙 はればれし 〘形シク〙
① よく晴れわたって明るい
※枕(10C終)二九二「今朝まではればれしかりつる空ともおぼえず」
② 心がはればれしている。なやみがなく明るい。はれやかである。
源氏(1001‐14頃)藤裏葉「おもひ屈しつる命も、のべまほしう、はればれしきにつけて」
③ 格別に改まった状況である。表立っている。はれがましい。
狭衣物語(1069‐77頃か)三「例ならず、はればれしき御しつらひに」
④ はばかるところがない。大っぴらである。
※源氏(1001‐14頃)椎本御心もて、はれはれしく、もて出でさせ給はばこそ、罪も侍らめ」
⑤ さえぎるものがなくすっきりしている。広々としている。
※狭衣物語(1069‐77頃か)一「小さき御几帳も押し遣られて、いとはればれしければ」
⑥ はなやかで明るい。はでやかである。
※源氏(1001‐14頃)東屋「こぼちし寝殿、こたみは、いと、はればれしう造りなしたり」
はればれし‐げ
〘形動〙
はればれし‐さ
〘名〙

はれ‐ばれ【晴晴】

〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① すっかり晴れるさまを表わす語。
※玉塵抄(1563)一九夕立などしてはれはれとして虹がたつぞ」
② 心のわだかまりがとれてさっぱりするさまを表わす語。はれやかに。
四河入海(17C前)五「はれはれと西湖うち出て美酒を飲」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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