普及版 字通 「景(漢字)」の読み・字形・画数・意味
景
常用漢字 12画
[字訓] ひかり・かげ・あきらか
[説文解字]
[字形] 形声
声符は京(けい)。〔説文〕七上に「光なり」とし、京声とする。〔周礼、地官、大司徒〕に「日景を正して、以て地の中を求む」と日景測量のことをいい、地上千里にして日景に一寸の差があるという。京がもし京門を意味するとすれば、それを日景観測に用いることも考えられる。卜辞に磬京(けいけい)・義京の名があり、京はアーチ状の軍門、その配置のしかたによって観測の方法も可能であろうが、詳しいことは知られない。卜辞に「五百四旬七日」という日数の表示があり、それは一年半の日数五四七・八七五日に相当する。当時日景による日数測定の法があったのであろう。〔周礼〕にみえる日圭の法は、方位や距離の測定に用いたものであろう。
[訓義]
1. ひかり、ひざし、日光。
2. 光によって作られる明暗、かげ、影。
3. 光に照らし出される、あきらか、けしき、ようす、おもむき、光を仰ぐ。
4. 京と通じ、大きい。
5. 勍と通じ、つよい。
6. 慶と通じ、めでたい。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕景 オホキナリ・カゲ・ヒカリ・ヒノエ・テラス・ネガフ・ウツス・オモハカル・オモハカリ/景行 ココロバセ 〔字鏡集〕景 オモハカリ・カゲ・ヒカリ・ウツス・オホキナリ・カタチ・テラス・アキラカ・ネガフ・ヒノエ
[声系]
〔説文〕に景声として憬の一字を収め、・影などは未収。影は〔玉〕に至って「形影なり」とみえる。憬は〔説文〕十下に「覺寤(かくご)するなり」という。〔詩、魯頌、水〕「憬たる彼の淮夷」の〔伝〕に「行の貌なり」とみえるが、その字は〔韓詩〕にに作り、その字の義であろう。
[語系]
景・(鏡)kyangは同声。影yang、光kuang、鑑keam、また・晃huang、hyuengもその系列の語で、みな光の反射や光彩に関する語である。京kyang、勍gyang、慶khiungも通用の義がある。
[熟語]
景印▶・景響▶・景柱▶・景表▶・景雲▶・景運▶・景炎▶・景観▶・景気▶・景輝▶・景況▶・景業▶・景仰▶・景功▶・景候▶・景行▶・景光▶・景刻▶・景昏▶・景山▶・景止▶・景趣▶・景従▶・景宿▶・景勝▶・景象▶・景状▶・景色▶・景瑞▶・景数▶・景星▶・景夕▶・景迹▶・景祚▶・景昃▶・景致▶・景地▶・景徴▶・景倒▶・景附▶・景風▶・景福▶・景物▶・景慕▶・景▶・景命▶・景明▶・景滅▶・景曜▶・景▶・景耀▶
[下接語]
雲景・煙景・遠景・佳景・遐景・外景・近景・孤景・後景・光景・好景・三景・詩景・実景・借景・淑景・春景・叙景・小景・勝景・情景・場景・晨景・夕景・雪景・絶景・全景・前景・点景・添景・倒景・日景・背景・八景・晩景・美景・風景・返景・暮景・夜景・流景・良景・麗景・和景
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報