時雨亭文庫(読み)しぐれていぶんこ

百科事典マイペディア 「時雨亭文庫」の意味・わかりやすい解説

時雨亭文庫【しぐれていぶんこ】

歌道の家冷泉(れいぜい)家典籍・文書類を伝存する文庫。名は藤原定家嵯峨野に営んだ山荘にちなむ。1981年冷泉家時雨亭文庫として財団法人設立。藤原俊成自筆《古来風体抄》(国宝),定家自筆《古今和歌集》(国宝),《明月記》(重文)などをはじめ,平安・鎌倉期の和家集の写本には流布本の祖本となったものも多く,和歌関係を中心に,所領関係文書,宮中儀式資料など,研究上きわめて貴重。《冷泉家時雨亭叢書》が順次刊行されている。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の時雨亭文庫の言及

【文庫】より

…ほかに菅原道真の紅梅殿,大江匡房の千種(ちぐさ)文庫,日野資業の法界寺文庫などがあったが,火災などで今日に伝わっていない。わずかに平安時代末期から京都冷泉(れいぜい)家に伝わった1200件余,約1万点にのぼる古文書類が伝存され,冷泉家時雨亭文庫として公開されている。鎌倉時代に入ると文庫を持つことができるのは武士階級となり,とくに北条実時から3代を費やして収集された金沢文庫,足利氏の創建した足利学校の文庫などが著名である。…

※「時雨亭文庫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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