時限爆弾(読み)じげんばくだん(英語表記)time bomb

翻訳|time bomb

精選版 日本国語大辞典 「時限爆弾」の意味・読み・例文・類語

じげん‐ばくだん【時限爆弾】

〘名〙 所定の時刻に爆発するように仕掛けてある爆弾
※樅の木と薔薇(1947)〈竹山道雄〉二「たとえば時限爆弾というものがありました」

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デジタル大辞泉 「時限爆弾」の意味・読み・例文・類語

じげん‐ばくだん【時限爆弾】

一定時間がたつと爆発するように装置した爆弾。
(比喩的に)潜在的な危険。現在は表面化していないが、将来、甚大な被害を及ぼすと考えられるもの。

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改訂新版 世界大百科事典 「時限爆弾」の意味・わかりやすい解説

時限爆弾 (じげんばくだん)
time bomb

時限信管もち,設定した時間(通常数分~数日間)後に爆発する爆弾をいう。大別して航空機投下用と,車両人員などで運搬し設置するものがある。前者は,不発弾と誤認すれば突然爆発するため,殺傷効果が増大し,誤認しなくとも爆発時間が不明のため一定地域をある時間,使用不可能にできる。後者は,設置者の退避時間を確保し,不意に爆発させ効果を増大させるなどのため,一般に秘密裡に設置される。軍用のほか,テロ破壊活動にも使用されるが,この場合には直接的な破壊効果ではなく,設置を通報し混乱を起こさせることを主目的とすることも多い。時限信管としては電気式,機械式のものが一般的であるが,化学反応を利用するものも使用された。
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百科事典マイペディア 「時限爆弾」の意味・わかりやすい解説

時限爆弾【じげんばくだん】

地面に落下して一定時間経過後に爆発する爆弾。ふつう時計仕掛による時限信管を装着し,中型の破片爆弾に適用される。時限は数分から数日で,実効果のほか被爆地一帯の恐怖心をあおる心理的効果をねらう。第2次大戦中,米軍が日本の都市攻撃に多用した。なお部隊撤退の際,橋,鉄道に仕掛けたり,ゲリラ活動,テロ活動(テロリズム)などで要所に仕掛けるものも時限爆弾と呼ばれる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「時限爆弾」の意味・わかりやすい解説

時限爆弾
じげんばくだん
time bomb

起動してから一定時間後に爆発する機構をもつ爆弾。航空機などから投下するもののほか、車両、人員などで運搬して仕掛けるものもあり、軍用のほか、ゲリラ、テロ、破壊活動、犯罪にも使われる。発火(起爆)装置には、時計作動式の信管が使われることが多いが、投下爆弾の遅延信管は衝撃による影響を避けて、樹脂がアセトンに溶ける時間を利用するなど化学法を用い、ごく短時間の遅延には、火薬の燃焼時間を使うこともある。時限爆弾は、爆発の時期を不整にして、復旧や不発弾除去の作業を困難にし、不安と混乱を与えることと、待避時間を得たり、だれが仕掛けたかわからなくすることを目的とする。

[青木謙知]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「時限爆弾」の意味・わかりやすい解説

時限爆弾
じげんばくだん
time bomb

爆発時間を事前にセットして投下あるいは敷設,一定時間 (数分~数日) 後に爆発する爆弾。投下された場合,不発弾として見逃される可能性があり,そのため被害が大きくなることをねらう。敷設にあたっては,事前にひそかに用意できる点に特徴がある。いずれにしても奇襲的効果をもつもので,敵に大きな恐怖を与えるための心理作戦に多く使用される。種類としては,時計仕掛けの物理的装置,薬品が一定時間後に反応を起す化学的装置,遠く離れて爆発を起す電磁波装置,光の変化に合せた光学装置,導火線を長くした原始的なものや,震動による爆発をねらうものなど多数ある。

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