時文(読み)じぶん

精選版 日本国語大辞典 「時文」の意味・読み・例文・類語

じ‐ぶん【時文】

〘名〙
① その時代の文。また、現在通用の文。
経国美談(1883‐84)〈矢野龍渓〉後「時文を難するに漢文和文の正格を以てするは眼孔の小なる者のみ」
中国で、その時代に実用性をもった文体をいう。特に、明代の科挙答案に用いられた八股(はっこ)文および清末から民国にかけて官庁公文書や新聞でも用いられた文体をさす。
※操觚字訣(1763‐73)一「文に散文、四六、韻語、時文の別あり」 〔欧陽脩‐記旧本韓文後〕
③ その時代の文化。当時の文化。

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デジタル大辞泉 「時文」の意味・読み・例文・類語

じ‐ぶん【時文】

その時代の文。また、当代に通用している文。
中国で、その時代に一般に用いられている文体。特に代の科挙の答案に用いられた文体、または、末から民国にかけて行われた文体。

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普及版 字通 「時文」の読み・字形・画数・意味

【時文】じぶん

明の八股文

字通「時」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の時文の言及

【八股文】より

…官吏登用試験である科挙の答案文。〈経義〉〈制芸〉〈時文〉などの別名がある。〈経義〉とも呼ばれるのは,四書五経のなかから選んだ文句が出題され,その義(意味)を受験者がみずから聖賢になったつもりで敷衍したからである。…

※「時文」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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