時圏(読み)じけん(英語表記)hour circle

翻訳|hour circle

精選版 日本国語大辞典 「時圏」の意味・読み・例文・類語

じ‐けん【時圏】

〘名〙 天球上の両極通り、天の赤道直角に交わる大円天頂を通るものを天の子午線という。時角圏。時円。

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デジタル大辞泉 「時圏」の意味・読み・例文・類語

じ‐けん【時圏】

地球上の経線のように、天球上で天の両極を通り天の赤道と直交する大円。時角圏。

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改訂新版 世界大百科事典 「時圏」の意味・わかりやすい解説

時圏 (じけん)
hour circle

天球上で,ある天体と天の北極とを通る大円を考えて,これをその天体の時圏と呼ぶ。この時圏と子午線とが天の北極で交わる角度時角であり,その時角を測って天文学的な時刻を決める。ここにこの名称由来がある。天球上の赤経を地球上の経度と同じように考えた場合,時圏は経線に相当するものであり,北極と南極の間の赤経値の等しいところを通る線である。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「時圏」の意味・わかりやすい解説

時圏
じけん

地球上の経線のように、天球上で天の北極と南極を通る大円を考えて、これを「時圏」とよぶ。この場合「圏」は「円」の同義語として用いられている。地球上から見ると、ある天体を通る時圏は天の北極(または南極)を中心として時計の針のように刻々と回転している。それゆえこの時圏の回転角(時角と称する)が、天測による時刻決定の基準になる。時圏の名称はここに由来する。

[中嶋浩一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「時圏」の意味・わかりやすい解説

時圏
じけん
hour circle

天球上の天の極 (→天の南極 , 天の北極 ) とある天体を通る大円をその天体の時圏という。天頂の時圏が子午線である。

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百科事典マイペディア 「時圏」の意味・わかりやすい解説

時圏【じけん】

天球上において,ある天体と天の北極とを通る大円をその天体の時圏という。時圏と子午線が天の北極で交わる角度が時角である。

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世界大百科事典(旧版)内の時圏の言及

【時角】より

…星などの天体が日周運動で子午線を通過後に進行した角度をいう。厳密には子午線と時圏(天体と天の北極とを結ぶ大円)とが天の北極で交わる角度として定義され,天頂から西向きに測る(図)。これを360度を24時とする時,分,秒の単位で測ると,時角はそのまま天体の南中後の経過時間を表すことになる。…

※「時圏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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