時に(読み)ときに

精選版 日本国語大辞典 「時に」の意味・読み・例文・類語

とき‐に【時に】

(名詞「とき」に助詞「に」の付いたもの)
[1] 〘連語〙 その時に。
※百座法談(1110)三月四日「我も人も皆はちすの花のうへにゐたり。時に獄卒あきれあやしみて」
[2] 〘副〙 常にというわけでなく、おりがあって行なうさまをいう語。ときどき。おりおり。どうかすると。
当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉二「我輩も時に忠告を試みて見るが」
[3] 〘接続〙 それまで述べてきた事柄から離れて別の新しいことを言い出すときに用いる語。また、特に注意を引きつけるための話の冒頭で用いる。ところで。さて。
※米沢本沙石集(1283)九「時に売候べし、いくいくらに買はせ給べし」
草枕(1906)〈夏目漱石〉四「ときに何時だなと時計を見ると」

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デジタル大辞泉 「時に」の意味・読み・例文・類語

とき‐に【時に】

[副]
場合によっては。時々。たまに。「時に病気になることがある」
まさしくその時。時あたかも。「時に戦後の混乱期のさなかであった」
[接]会話で、新しい話題に入るときに用いる。さて。ところで。「時にあの件はどうなりましたか」
[類語]1臨時随時不時不定期折に触れて当座時には時として往往たまたまたまさか時時ときどき時折折折時たま間間折節散発間欠周期的とかく時にはたまややもすればともすると得てしてなにかにつけ何かと言えばさてこそそれでこそさてそれでそこでところでそれはさておきそれはそれとしてそれはそうと

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