時(漢字)

普及版 字通 「時(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 10画

(異体字)
8画

[字音] ジ・シ
[字訓] とき

[説文解字]
[金文]
[その他]

[字形] 形声
声符は寺(じ)。寺に、ある状態を持続する意があり、日景・時間に関しては時という。〔説文〕七上に「四時なり」と四季の意とする。〔書、尭典〕「(つつし)んで民に時を授く」は農時暦の意。古文字形は中山王鼎にもみえ、之(し)と日とに従う。之にものを指示特定する意があり、〔書、舜典〕「百揆(き)時(こ)れ敍す」、〔詩、大雅、緜〕「曰(ここ)に止まり 曰に時(を)る」のような用法がある。また〔石鼓文、(吾)車石〕に「(ふせ)ぎち時(うかが)ふ」とあって、そのときを待つ意に用いている。

[訓義]
1. とき、ひつき、きせつ
2. おり、しお、そのとき、そのころ。
3. ときに、ときおりに。
4. そのときにあたる、ときをえる。
5. 是・と通じ、よい。
6. 是と通じ、この、これ。
7. 司・伺と通じ、うかがう、つかさどる。
8. 蒔と通じ、まく。
9. と通じ、まつ。

[古辞書の訓]
名義抄〕時 トキ・トキドキ・コノ・コレ・ヨリヨリ・ココニ・トキナフ・イマ・ミル・ツブサニ・ウウ・アキラカ・タスク・シバラク・タチマチニ・モト・カサヌ/當時 ソノカミ/時 カクノゴトク

[声系]
〔説文〕に時声として(蒔)・塒の二字を収める。は殖・植と声近く、塒ものとまり木で、みな蒔く、植える意がある。時はもと農耕に関する字であったかもしれない。

[語系]
時・zjiは同声。是・zjie、司sidiは声が近く、その義に通用することがある。

[熟語]
時晏・時異・時移・時衣時雨・時運・時英・時疫時価・時下・時花・時暇・時稼・時化・時閑・時間・時・時艱・時危時機・時気・時祺・時器・時時宜・時義・時議・時儀・時休・時教・時享・時極・時禁・時君・時景・時隙・時月・時賢時彦・時・時鼓時候・時好・時光・時豪・時刻・時穀・時祭・時宰・時・時歳・時事・時時・時疾時日・時趣・時秀・時羞・時習・時熟・時雋・時儁・時潤・時序・時叙・時称・時粧・時霎・時情・時食・時辰・時新・時人時世・時政時勢時節・時鮮・時饌・時膳・時・時・時俗・時態・時泰・時代・時談・時中・時屯・時調・時珍・時哲・時蠧・時難・時・時風・時服・時物・時紛時分・時文・時病・時平・時柄・時弊・時変・時暮・時芳・時髦・時望・時味・時務・時命・時名・時明・時友・時遊・時誉・時用・時雍・時様・時利時流・時吝・時令・時暦・時論
[下接語]
俟時・異時・一時・応時・往時・時・花時嘉時及時・旧時・救時・今時・近時・計時・済時・祭時・歳時・暫時・四時・失時・殊時・瞬時・順時・少時・乗時・常時・食時・酔時・随時・寸時・盛時・聖時・夕時・戦時・即時・多時・奪時・抵時・適時・天時・当時・同時・年時・農時・曩時・非時・不時・平時・餔時・明時・夜時・幼時・良時・臨時・歴時

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android