春野(高知県)(読み)はるの

日本大百科全書(ニッポニカ) 「春野(高知県)」の意味・わかりやすい解説

春野(高知県)
はるの

高知県南部、吾川郡(あがわぐん)にあった旧町名(春野町(ちょう))。現在は高知市の南西部を占める一地区。土佐湾に臨む。1956年(昭和31)弘岡上(ひろおかかみ)ノ、弘岡中ノ、弘岡下(しも)ノ、平和(へいわ)、西分(にしぶん)、仁西(にさい)、森山の7村が合併して春野村となり、1969年町制施行。2008年(平成20)高知市に編入。国道56号が通じる。北の鷲尾(わしお)山脈と南の低平な森山丘陵の間に比較的高燥な弘岡平野が開け、海岸沿いには砂丘が形成される。近世初期に土佐藩執政の野中兼山(けんざん)が仁淀(によど)川八田堰(はたぜき)から弘岡水路、新川(しんかわ)川に導水してから平野の開発が進んだ。弘岡カブ、秋山ダイコンや仁淀川河口左岸西畑(さいばた)の河原ズイカは早くから知られた。現在はメロン、ナス、キュウリなどの施設園芸が盛んで、山麓(さんろく)斜面ではミカン新高(にいたか)ナシが栽培されている。高知市中心部の近郊農村であり、住宅団地の造成もみられる。県下最大のスポーツ施設の県立春野総合運動公園があり、そこで2002年国体の開会式が行われた。北東部にある鷲尾山周辺は県立自然公園になっている。四国八十八か所第34番札所種間寺(たねまじ)の本尊の木造薬師如来坐像(やくしにょらいざぞう)は国指定重要文化財。

[正木久仁]

『『春野町史』(1976・春野町)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android