星新一(読み)ホシシンイチ

デジタル大辞泉 「星新一」の意味・読み・例文・類語

ほし‐しんいち【星新一】

[1926~1997]小説家・SF作家。東京の生まれ。本名、親一。ショートショート名手として知られ、1000編を超える作品発表。「ボッコちゃん」を収録した「人造美人」や、「未来いそっぷ」「妄想銀行」「ノックの音が」など多くの短編集を残す。他に長編夢魔の標的」、父を描いた伝記人民は弱し官吏は強し」など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「星新一」の意味・わかりやすい解説

星新一
ほししんいち
(1926―1997)

SF作家。東京生まれ。東京大学農学部卒業。同人誌『宇宙塵(じん)』に発表していたショート・ショート『セキストラ』が江戸川乱歩らの推薦で当時の推理小説雑誌『宝石』に転載されて好評を博し、これが作家としてのデビューとなる。奇抜なアイデア、完全なプロット、意外な結末というショート・ショート形式の名手で、83年に1001編達成後、休筆を宣言。若手作家の育成に務めた。1968年(昭和43)には『妄想銀行』と、過去の業績によって日本推理作家協会賞を受賞。多数の作品集のほか、SF長編『夢魔標的』(1964)、父星一(はじめ)の伝記『人民は弱し官吏は強し』(1967)、アメリカの一こま漫画を題材にした『進化した猿たち』(1968)など。

厚木 淳]

『『妄想銀行』『夢魔の標的』(新潮文庫)』

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百科事典マイペディア 「星新一」の意味・わかりやすい解説

星新一【ほししんいち】

小説家。本名親一。東京生れ。祖母森鴎外の妹小金井喜美子。東大農学部卒。1957年《宝石》に短編《セキストラ》で登場。《ボッコちゃん》(1958年)など,斬新な発想と奇抜な結末をそなえたショートショートの第一人者となる。短編集《妄想銀行》(1967年)で日本推理作家協会賞受賞。他に《気まぐれ指数》《声の網》などのミステリーやSF,時代小説集《殿さまの日》,《祖父・小金井良精の記》などがある。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「星新一」の解説

星新一 ほし-しんいち

1926-1997 昭和後期-平成時代のSF作家。
大正15年9月6日生まれ。昭和32年短編「セキストラ」でデビュー。ショート-ショートの名手として「ボッコちゃん」など1000編をこえる作品を発表。43年「妄想銀行」で日本推理作家協会賞。父星一(はじめ)の伝記「人民は弱し官吏は強し」などの長編や時代小説もある。平成9年12月30日死去。71歳。東京出身。東大卒。本名は親一。
【格言など】世の中には短く要約できないものはない(「明治の人物誌」)

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