普及版 字通 「昔(漢字)」の読み・字形・画数・意味
昔
常用漢字 8画
[字訓] ほじし・むかし・ひさしい・きのう
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 仮借
本義は肉で、うす切りの肉片と日に従い、の初文。旧昔の意に用いるのは仮借。〔説文〕七上に「乾なり。殘に從ふ。日以て之れを晞(かわ)かす。俎(そ)と同なり」とあって、の意とする。のち旧昔の字に用い、乾肉には形声字のが作られた。時を示す今・曾・嘗・未などは、もとみな別にその初義があり、副詞とするのは仮借の用法である。
[訓義]
1. ほしにく、ほじし。
2. 夕・夜に仮借して、ゆうべ、むかし、よる、きのう、さきごろ、はじめ、ひさしいの意に用いる。
3. と通じ、まじわる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕昔 ムカシ・イニシヘ・ヨル・サカル・トキ・ツネ・ヒサシ・ヨル/昔曾 ムカシ
[声系]
〔説文〕に昔声として・借・・錯など十八字を収める。昔声の字に浅薄なもの、交錯するものなどの意を含むものが多いのは、昔がほし肉の形で、うすく乱れかさなる意をもつからであろう。卜文の耕の字にも昔声を加えており、土を細かく起こす意を含む。
[語系]
昔syak、夕zyak、夜jyakは声が近く、それで肉の象である昔を疇夕の意に用いて、疇昔のようにいう。
[熟語]
昔園▶・昔賢▶・昔言▶・昔彦▶・昔歳▶・昔在▶・昔時▶・昔日▶・昔者▶・昔酒▶・昔樹▶・昔愁▶・昔人▶・昔昔▶・昔談▶・昔年▶・昔夢▶・昔来▶
[下接語]
往昔・憶昔・懐昔・感昔・古昔・今昔・在昔・自昔・夙昔・宿昔・如昔・誰昔・乃昔・疇昔・通昔・曩昔・遥昔
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報