明鏡(読み)めいけい

精選版 日本国語大辞典 「明鏡」の意味・読み・例文・類語

めい‐けい【明鏡】

〘名〙 (「けい」は「鏡」の漢音)
※懐風藻(751)春日巨勢多益須〉「岫室開明鏡、松殿浮翠烟」 〔運歩色葉(1548)〕
② (形動) はっきりしていてくもりのないこと。事柄があきらかであること。また、文書などに明瞭に記録されていること。また、そのさま。明亀(めいき)
兵範記‐仁安三年(1168)八月三日「件官符、正符加判、内案注名如常、而主基方右少弁重方正符内案共注名、是寛治例、記録明鏡由所称也」
③ (形動) すぐれていて、世の手本となること。また、そのさま。亀鏡。亀鑑
※中右記‐天永二年(1111)一一月五日「戌刻大蔵卿大江匡房卿薨〈略〉才智過人、文章勝他、誠是天下明鏡也」
日葡辞書(1603‐04)「Meiqeina(メイケイナ) ヒト〈訳〉正直で、質朴な人」
④ すぐれた方法、技術。典拠になしうる証本。
実隆公記‐長享三年(1489)三月八日「依左相府閣下厳命先年所愚筆也、雖鳥跡狼籍写本者可明鏡

みょう‐きょう ミャウキャウ【明鏡】

〘名〙
① くもりのない、よく映る鏡。仏性または智慧にたとえる。めいきょう。めいけい
往生要集(984‐985)大文二「六道衆生之心、如明鏡所見像
② すぐれた手本。明らかな指針
※コンテムツスムンヂ(捨世録)(1596)一「モロモロノ シュッケノ コウタイノ miǒqiǒto(ミャウキャウト) サダメラレ タマエバ」

めい‐きょう ‥キャウ【明鏡】

〘名〙 くもりのない、よく映る鏡。めいけい。みょうきょう。〔文明本節用集(室町中)〕
福翁百話(1897)〈福沢諭吉〉五九「明鏡(メイキャウ)に向て独り心を悵(いた)ましむるの情」 〔李白‐秋浦歌〕

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デジタル大辞泉 「明鏡」の意味・読み・例文・類語

みょう‐きょう〔ミヤウキヤウ〕【明鏡】

曇りのない鏡。めいきょう。
鬼神横道わうだうを正す―の宝なれ」〈謡・野守
すぐれた手本。
「―ヲテラス」〈日葡

めい‐きょう〔‐キヤウ〕【明鏡】

曇りのない、よく映る鏡。

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普及版 字通 「明鏡」の読み・字形・画数・意味

【明鏡】めいきよう(きやう)

鏡。唐・李白〔秋浦歌、十七首、十五〕詩 白髮、三千 愁ひに(よ)りて箇(かく)の似(ごと)く長し 知らず、の裏(うち) 何(いづ)れの處にか、秋霜を得たる

字通「明」の項目を見る

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動植物名よみかた辞典 普及版 「明鏡」の解説

明鏡 (メイキョウ)

学名Aeonium tabuliforme
植物。ベンケイソウ科園芸植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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