明沙汰(読み)あきらめさた

精選版 日本国語大辞典 「明沙汰」の意味・読み・例文・類語

あきらめ‐さた【明沙汰】

〘名〙
中世不動産売買で、必要に応じて売り主が買い主のために売買契約が正当であることを証言すること。
② 中世、訴訟時に当事者自身立場が正当であることを弁明すること。

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世界大百科事典(旧版)内の明沙汰の言及

【請人】より

…しかし現実にはむしろ請人は償人の性格を継承するものとして行われるケースが圧倒的に多く,事実上保人・償人の厳密な区別は不分明になる傾向にあった。請人の保証義務としては,(1)売主とともに,明沙汰(あきらめさた)(売買契約が正当であることを証言すること)をする義務,代価を弁償する義務,買主の差押えに対して抵抗しない義務などがあり,また,(2)貸借契約の支払義務,年貢徴納を請け負った所務代官の年貢納付義務,あるいは年貢負担者の納付義務を保証する場合があり,そのおもな保証義務は,債務者が債務を履行しない,あるいはしえない場合に債務者に代わって債務を弁済することであった。中世の保証人として他に口入人があり,その主たる職分は依然として取引契約の周旋・媒介にあったが,口入によって成立する債務について,慣習上請人と同等の保証義務を負った場合があり,また逆に請人が取引契約の媒介的業務を行う場合もあった。…

※「明沙汰」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」