明暗流(読み)みょうあんりゅう

精選版 日本国語大辞典 「明暗流」の意味・読み・例文・類語

みょうあん‐りゅう ミャウアンリウ【明暗流】

〘名〙 尺八流派一つ兼友西園の高弟樋口対山を祖とし、上方(かみがた)に行なわれた。京都白川にあった普化(ふけ)宗の本寺、虚霊山明暗寺の名によるものという。普化尺八の流派として、江戸琴古流と相対した。

めいあん‐りゅう ‥リウ【明暗流】

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デジタル大辞泉 「明暗流」の意味・読み・例文・類語

みょうあん‐りゅう〔ミヤウアンリウ〕【明暗流】

尺八の流派名。広義には、普化ふけ伝統守り古典本曲を伝承する諸派総称狭義には、普化宗の本寺である京都の明暗寺に伝承された尺八の芸系の通称幕末から明治初期の明暗真法じんぽう流、明治中期以降の明暗対山たいざん流に受け継がれている。

めいあん‐りゅう〔‐リウ〕【明暗流】

みょうあんりゅう(明暗流)

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百科事典マイペディア 「明暗流」の意味・わかりやすい解説

明暗流【めいあんりゅう】

尺八の流派名。〈みょうあんりゅう〉とも。1871年普化宗の廃止後,京都の明暗寺を拠点として活躍した樋口対山(ひぐちたいざん)〔1856-1914〕によって名乗られた流派。普化宗の信条を守り,普化尺八の伝統を保っている。
→関連項目尺八

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「明暗流」の意味・わかりやすい解説

明暗流
みょうあんりゅう

尺八楽の流派。「めいあんりゅう」ともいう。宗教性を離れた音楽としても行われる尺八楽 (琴古流,都山〈とざん〉流など) に対し,虚無僧尺八の伝統を堅持しようとする流派。普化宗 (ふけしゅう) 所伝の曲のみを奏し,他の楽器との合奏などは行わない。普化宗本山だった京都の明暗寺の名を取る。

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世界大百科事典(旧版)内の明暗流の言及

【尺八】より

… これら近代諸流に対して,普化宗以来の伝統を重んじて琴古流本曲以外の古典本曲の伝承を続ける人々がある。その芸系は多岐に分かれているが,便宜的な総称として明暗流または明暗諸派などと呼ばれている。明治初年から昭和30年ごろまでは外曲がとくに盛んだったため,明暗諸派の古典本曲はあまり知られない存在だったが,今日では尺八楽本来の曲種として大いに注目されつつある。…

※「明暗流」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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