明御神(読み)あきつみかみ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「明御神」の意味・わかりやすい解説

明御神
あきつみかみ

現御神、現神、明神、現為明神、明津神などとも表記する。現身(うつしみ)を備え、目に見える神の意。天皇に対する尊称で、天皇は天照大神(あまてらすおおみかみ)の神裔(しんえい)であるという信仰から、その統治神格を有する尊貴な方の行為であることを敬っていったもの。『公式令(くしきりょう)詔書式』に「明神御宇日本天皇詔旨、云々咸聞」「明神御大八洲天皇詔旨、云々咸聞」などとあり、詔書様式を定めたなかに明文で記されてあるが、『続日本紀(しょくにほんぎ)』の宣命(せんみょう)にその用例がことに多い。そのほか『万葉集』『出雲国造神賀詞(いずものくにのみやつこのかむよごと)』にも出てくる。

[大原康男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例