(読み)みん

精選版 日本国語大辞典 「旻」の意味・読み・例文・類語

みん【旻】

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デジタル大辞泉 「旻」の意味・読み・例文・類語

みん【旻】

[?~653]飛鳥あすか時代の学僧。遣隋使小野妹子に従い、中国留学帰国して大化の改新の際、高向玄理たかむこのくろまろとともに国博士となり、官制などを立案。びん。

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朝日日本歴史人物事典 「旻」の解説

没年:白雉4.6(653)
生年:生年不詳
7世紀中ごろの僧侶僧旻,旻法師,釈僧旻,日文などさまざまに表記されるが,もとは旻という一字名で,上に僧字を冠したものであろう。梁の高僧荘厳寺の僧旻にちなむ名かもしれない。大和の高市の檜前に住んだ百済系または加耶の一国安羅(安耶,韓国慶尚南道咸安)から6世紀後半に渡来した新漢人の出で,本来中国人であった可能性が強い。推古16(608)年遣隋使小野妹子らに従って隋に留学した学生,学問僧8人のうちのひとり。舒明4(632)年遣唐使犬上御田鍬らと共に24年ぶりに帰国。『家伝』によれば,帰国後,学堂を開き,隋唐での研鑽の成果にもとづいて中臣鎌足,蘇我入鹿らに儒教を講じた。皇極4(645)年蘇我氏滅亡後の新政権に参加し,高向玄理と共に国博士となり,ブレーンの役割を果たした。大化1(645)年僧侶統制のための十師制を発案して自らそのひとりとなったり,同6年,白雉の出現に際し祥瑞改元を提唱したりして,孝徳朝の諸改革に主導的な働きを示し,即位前から交わりのあった孝徳天皇(軽皇子)の信頼も篤かった。<参考文献>遠山美都男『大化改新

(鈴木靖民)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「旻」の意味・わかりやすい解説


みん

[生]?
[没]白雉4(653).6. 近江
古代の学僧,入唐学問僧。新漢人 (いまきのあやひと) 日文ともみえている。推古 16 (608) 年遣隋使小野妹子に従って中国に渡り,留学生活 24年の間,仏教のほか周易などを学び,舒明4 (632) 年遣唐使犬上御田鍬 (みたすき) に従って帰国。彼の周易の講義は中大兄皇子や中臣 (藤原) 鎌足ら大化改新の主導者や蘇我入鹿も聴講した。改新政府発足にあたって国政諮問機関である国博士となり,大化1 (645) 年衆僧を教導する十師となった。中央官制の制定に尽力し,死去にのぞんで,皇極天皇 (→斉明天皇 ) によって仏菩薩像が造立され川原寺に安置された。白雉5 (654) 年7月阿曇 (あずみ) 寺で没したともいわれる。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「旻」の解説


みん

?~653.6.-

7世紀の僧。608年(推古16)9月,遣隋使小野妹子に従って高向玄理(たかむこのげんり)・南淵請安(みなぶちのしょうあん)らと入隋し,632年(舒明4)8月帰朝。帰国後,蘇我入鹿(いるか)・藤原鎌足(かまたり)らに「周易」を講じた。637年流星があった際に天狗の吠声であると主張し,さらに639年彗星出現により飢饉を予告するなど,祥瑞思想に詳しかった。大化の改新後,645年(大化元)高向玄理とともに国博士となり,十師(じっし)の一員にも任じられた。649年高向玄理と八省・百官の制を起案し,翌年穴戸(あなと)国司から白雉が献上されると,その祥瑞を説いて白雉(はくち)改元となった。653年(白雉4)5月病気となり,孝徳天皇の見舞をうけ,翌月没した。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「旻」の解説

みん

?-653 飛鳥(あすか)時代の学問僧。
推古天皇16年(608)遣隋使小野妹子(いもこ)にしたがい,隋(ずい)(中国)に留学。舒明(じょめい)天皇4年(632)帰国。大化(たいか)の改新後は国博士として高向玄理(たかむこの-くろまろ)とともに新政権に参画,孝徳天皇に信任された。白雉(はくち)4年6月死去。新漢人日文(いまきのあやひと-にちもん)ともいう。

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旺文社日本史事典 三訂版 「旻」の解説


みん

?〜653
7世紀の渡来系学問僧で,大化の改新の政治顧問
608年遣隋使小野妹子 (おののいもこ) に従い学問僧として渡隋し,632年帰国。645年大化の改新に際し高向玄理 (たかむこのげんり) とともに国博士に任命され,改新政府の政策を立案した。

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百科事典マイペディア 「旻」の意味・わかりやすい解説

旻【みん】

新漢人旻(いまきのあやひとみん)

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