日高山瓦窯址(読み)ひだかやまがようし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「日高山瓦窯址」の意味・わかりやすい解説

日高山瓦窯址
ひだかやまがようし

奈良県橿原(かしはら)市飛騨(ひだ)町日高山に存在する藤原宮の造瓦窯址。窯は藤原宮に面する丘陵の北斜面に構築されている。窯構造は平窯(ひらがま)形態をとり、平面杓子(しゃくし)形を呈し、全長3.6メートルを有し、高さは94センチメートル、側壁は塼(せん)積みし、それを藁(わら)入りの粘土で塗っている。奥壁の下方には塼を重ねてつくった3個の方形煙出しを設けている。窯内から藤原宮創建時のものと同様な鐙瓦(あぶみがわら)を出土しており、わが国においてもっとも古い平窯の例である。

[坂詰秀一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android