日比屋了珪(読み)ひびや・りょうけい

朝日日本歴史人物事典 「日比屋了珪」の解説

日比屋了珪

生年生没年不詳
安土桃山時代の堺の豪商で代表的なキリシタン。茶道関係文書には「日比屋了慶」「比々屋了桂」。京都地方で布教を開始したヴィレラ神父を保護,永禄7(1564)年受洗,家族揃って熱心なキリシタンとなる。霊名ディオゴだが,「リョウゴ」とよばれ彼自身も天正16(1588)年,五畿内キリシタンがイエズス会総長に送った連署状に「了五了珪」と署名している。天正15(1587)年の禁教令で堺の教会が破壊されたのちに自宅を開放,キリシタン信者たちの病院も引き受けた。元和3(1617)年の信徒証言を集めた『コーロス徴収文書』には署名がないのでその前には没したと推定。<参考文献>松田毅一『近世初期日本関係南蛮史料の研究

(片岡千鶴子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「日比屋了珪」の解説

日比屋了珪 ひびや-りょうけい

?-? 戦国-織豊時代の豪商。
堺のキリシタンの総代。永禄(えいろく)4年(1561)宣教師ビレラをまねき,7年受洗した。自宅を教会として提供。茶の湯もたしなみ,津田宗及らと茶会をもよおした。洗礼名はディオゴで,了五とかく。天正(てんしょう)16年のキリシタン代表者連署状に自署している。名は了慶とも。

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