日本銀(読み)にほんぎん

山川 世界史小辞典 改訂新版 「日本銀」の解説

日本銀(にほんぎん)

16世紀に日本から中国朝鮮に輸入された銀。明朝では,15世紀以降税糧の銀納化を契機に銀の流通量が増大し始めた。主に浙江(せっこう),福建雲南などで産出したが,しだいに減少した。一方,日本では朝鮮から灰吹(はいふき)法と呼ばれる銀精錬法が伝わり,石見(いわみ)銀山などで採用され産出量が増大したため,16世紀前半には中国へ銀が大量に流入するようになった。しかし,16世紀中頃アマルガム法がペルーポトシ銀山に導入されると,スペインポルトガルによって新大陸(新世界)からもたらされるが日本銀を圧倒した。

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旺文社世界史事典 三訂版 「日本銀」の解説

日本銀
にほんぎん

明代後半に日本から輸出された銀
16世紀中期以降,石見銀山・但馬銀山などでの生産が急増し,銀の需要が増大していた明に輸出された。主に生糸と交換され,16世紀後半には1200〜1300トンが,17世紀前半には2400トンの銀が中国に流れた。

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