日本農民党(読み)にほんのうみんとう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「日本農民党」の意味・わかりやすい解説

日本農民党
にほんのうみんとう

大正末・昭和初期の最右翼無産政党。1926年(大正15)3月、日本農民組合第5回大会で脱退した山梨県連合会を中心全日本農民組合同盟が結成されたが、これを支持基盤として同年10月創立された。幹事長平野力三(りきぞう)。中心スローガンは、労働者農民の同盟に反対するための「農民は農民党へ!」である。28年(昭和3)の第1回普通選挙で高橋亀吉(かめきち)をたてたが惨敗し、同年末日本大衆党結成に合流した。

[吉見義明]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日本農民党」の意味・わかりやすい解説

日本農民党
にほんのうみんとう

日本の政党。 1926年 10月結成された農民政党。「農民は農民党へ」というモットーのもとに,日本農民組合 (日農) より分裂した平野力三らを中心に結成されたもの。社会主義の実現,日本国体の振起議会政治改革,産業国策の確立農村文化樹立を掲げ,改良主義的路線を強く打出した。一時は党員7万ともいわれたがその後はふるわなくなり,1928年 12月日本労農党無産大衆党九州民憲党などと合同。賃金労働者と農民との社会的関係の相違を主張し,そのうえにたった労農提携を強調した。

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百科事典マイペディア 「日本農民党」の意味・わかりやすい解説

日本農民党【にほんのうみんとう】

1926年結成の右派無産政党。日本農民組合を脱退した山梨県連合会を母体とする全日本農民組合を基礎組織。幹事長は平野力三。〈農民は農民党へ〉の標語を掲げたが,1928年の総選挙では惨敗し,日本大衆党へ合同。
→関連項目日本労農党

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旺文社日本史事典 三訂版 「日本農民党」の解説

日本農民党
にほんのうみんとう

昭和初期の無産政党の一つ(1926〜28)
日本農民組合を脱した右派の山梨県連合会を中心として,1926年結成された地方政党。幹事長平野力三。党勢ふるわず,'28年日本労農党・無産大衆党と合同して日本大衆党を結成した。

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