日本評論(にっぽんひょうろん)(読み)にっぽんひょうろん

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

日本評論(にっぽんひょうろん)
にっぽんひょうろん

日本評論社が発行した総合雑誌。1919年(大正8)茅原(かやはら)茂が創業し、鈴木利貞が継承した同社は、従来の『経済往来』(1926創刊)を1935年(昭和10)10月号から改題刊行した。評論家室伏高信(むろぶせこうしん)が編集長。『改造』『中央公論』に次ぐ第三の総合雑誌といわれ、阿部知二(ともじ)の『風雪』や河合(かわい)栄治郎の論文が評判となったが、第二次世界大戦中に経済雑誌となる。敗戦後の1946年(昭和21)4月号から復刊、編集者の執筆になるルポルタージュや「時の動き」は雑誌ジャーナリズムの新しいスタイルをつくった。占領軍に弾圧されたりして1951年休刊、56年1月復刊したが振るわず、まもなく廃刊となる。なお、1890年(明治23)植村正久(うえむらまさひさ)が発行した同名の雑誌がある。

松浦総三

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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