日本製鉄(株)(読み)にっぽんせいてつ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「日本製鉄(株)」の意味・わかりやすい解説

日本製鉄(株)
にっぽんせいてつ

世界有数の鉄鋼会社。2019年(平成31)4月1日、新日本製鉄が商号を変更することにより誕生した。旧名は新日鉄住金(2012~2019)。同社は、2012年10月、新日本製鉄住友金属工業が経営統合を行うことによって成立した。このうち新日本製鉄は、1970年(昭和45)、業界第1位の八幡(やはた)製鉄と第2位の富士製鉄との合併により設立された。両社はともに1950年の日本製鉄の分割により発足した企業であった。新日鉄住金時代の2017年(平成29)に日新製鋼を子会社化していたが、2020年(令和2)4月に合併した。この合併により、日本の高炉メーカーは、粗鋼生産高の大きい順に日本製鉄、JFEスチール神戸製鋼所の3社となった。

 連結子会社を含む粗鋼生産高は4446万トン(2021)。従来の製鉄所を地区と呼称し、複数の地区を合わせて製鉄所とする再編成を行った。2022年現在、国内では北日本、東日本、名古屋、関西、瀬戸内、九州の6か所の製鉄所で生産を行っている。

 国内需要の停滞を受けて、2025年度までに高炉15基のうち5基を休止、瀬戸内製鉄所呉(くれ)地区の全面閉鎖など設備集約を進めている。一方、海外で成長する鉄鋼需要をつかむために、粗鋼から圧延までの一貫生産を拡大すべく、インドタイなどで企業買収を進めている。グローバル粗鋼生産能力1億トン体制を構築し、うち国内生産能力は4000万トンとすることを目ざしている。2030年に対2013年比30%の二酸化炭素(CO2)排出削減、2050年にカーボンニュートラルを実現する目標を掲げている。資本金4195億円、連結売上収益6兆8089億円(2021年3月)。

川端 望 2023年1月19日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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