日本憲法見込案(読み)にほんけんぽうみこみあん

山川 日本史小辞典 改訂新版 「日本憲法見込案」の解説

日本憲法見込案
にほんけんぽうみこみあん

明治前期の私擬憲法。高知の自由民権派の立志社が1881年(明治14)に作成。植木枝盛(えもり)の日本国国憲案と同系統のもの。思想言論・出版・集会結社・通信の自由や正当防衛の権利など広範な国民の権利と自由を認めている。国会一院制で,法律・租税議定や,宣戦講和権限掌握など権限は大きい。国帝は行政長官陸海軍都督とされ,行政事務を親裁するが,「叛逆重罪ニ因テ其位ヲ失ス」と規定されている。

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旺文社日本史事典 三訂版 「日本憲法見込案」の解説

日本憲法見込案
にほんけんぽうみこみあん

明治前期,立志社の私擬憲法
1880年11月国会期成同盟第2回大会で憲法草案の起草が決議されたが,期成同盟本部の「憲法見込案」は否決され,翌'81年立志社片岡健吉を審査委員に,坂本南海男・植木枝盛らを起草委員に選び,同年10月ころ「日本憲法見込案」がつくられた。一院制をとり,主権在民説をとっていたが,官憲から危険視され新聞にも公表されなかった。

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世界大百科事典(旧版)内の日本憲法見込案の言及

【立志社】より

…81年1月からは県政に進出した(2年後,保守派の巻返しにより一斉に更迭される)。同年5月,日本憲法見込案の起草に着手。10月,自由党の結成にあたっては,幹部をほぼ独占した。…

※「日本憲法見込案」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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