日本大家論集(読み)にほんたいかろんしゅう

改訂新版 世界大百科事典 「日本大家論集」の意味・わかりやすい解説

日本大家論集 (にほんたいかろんしゅう)

博文館が創業にあたり,1887年6月に発行した論集。第1編は,菊判80ページ,定価10銭。各種の学術雑誌に発表された論文のなかから優れたものを選び,中村正直加藤弘之,坪内雄蔵(逍遥)らの論文17編を収める。この方式は,欧米の〈集録雑誌(アンソロジー)〉にならったもので,〈諸大家の名論卓説〉を1冊に網羅したことから評判になり,1ヵ月に4回の増刷を重ねるほど売行きがよく1万数千部に及んだ。第2編から月刊で発行したが,第1,第2編とも無断転載のため物議をかもし,その後は自主企画で発行した。95年1月創刊の《太陽》に吸収され,廃刊となった。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の日本大家論集の言及

【大橋佐平】より

…86年に新聞の経営を長男新太郎に託して上京。87年に博文館を創業し,各種の雑誌からこれと思われる論説を無断転載した《日本大家論集》を創刊した。無断集録に対する非難の声が続出したが,編集内容が評判になり第2編から月刊で発行。…

※「日本大家論集」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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