日本丸(朝鮮侵攻)(読み)にっぽんまる

日本大百科全書(ニッポニカ) 「日本丸(朝鮮侵攻)」の意味・わかりやすい解説

日本丸(朝鮮侵攻)
にっぽんまる

1592年(文禄1)豊臣(とよとみ)秀吉朝鮮侵攻の際の乗船として計画・建造された豪華な軍船で、水軍の九鬼嘉隆(くきよしたか)が領国の伊勢大湊(いせおおみなと)において建造した。全長99尺(30メートル)、幅31.3尺(9.5メートル)、深さ10尺(3.03メートル)、1500石積み(積載重量220トン)、櫓(ろ)100丁立てで、当時最大級の安宅船(あたけぶね)、つまり戦国時代に発達した攻防力ともに強大な軍船形式をもつ。当初、鬼宿(きしゅく)と称したが、秀吉によって日本丸と改名された。朝鮮には九鬼嘉隆が座乗して出陣し、戦後はその領国鳥羽(とば)に係留され、のち徳川幕府の管理下に入り、改装されて50丁立ての大竜(だいりゅう)丸となった。

石井謙治

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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