日朝(読み)にっちょう

精選版 日本国語大辞典 「日朝」の意味・読み・例文・類語

にっちょう ニッテウ【日朝】

[一] 室町時代日蓮宗の僧。字(あざな)は鏡澄、号は行学院、通称は加賀阿闍梨。八歳で出家して比叡山および南都で学び、のち身延山の日延に従う。寛正元年(一四六〇)身延山第一一世貫主継ぎ、四〇年間にわたってその発展に尽くした。「御書見聞五大部鈔」「法華草案鈔」など多くの著述を残し、日隆と並んで述作双璧といわれる。応永二九~明応九年(一四二二‐一五〇〇
[二] 日本朝鮮。また、日本と北朝鮮朝鮮民主主義人民共和国)。

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デジタル大辞泉 「日朝」の意味・読み・例文・類語

にっちょう【日朝】[人名]

[1422~1500]室町中期の日蓮宗の僧。伊豆の人。号、行学院。通称、加賀阿闍梨あじゃり比叡山南都などに学ぶ。寛正元年(1460)身延山第11世を継ぎ、寺境を拡張制度整備して身延山中興の祖といわれる。著「法華草案鈔」など多数

にっ‐ちょう〔‐テウ〕【日朝】

日本と朝鮮。また、日本と朝鮮民主主義人民共和国。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「日朝」の意味・わかりやすい解説

日朝
にっちょう
(1422―1500)

室町時代の日蓮(にちれん)宗の僧。字(あざな)は鏡澄(きょうちょう)。行学院(ぎょうがくいん)と称する。伊豆国(静岡県)に生まれ、8歳のとき一乗坊日出(いちじょうぼうにっしゅつ)(1381―1459)の門に入って出家。28歳で三島の本覚寺を継承、40歳で身延山久遠寺(みのぶさんくおんじ)(現在、日蓮宗総本山)法主(ほっす)となる。同寺在職38年の間に、教団発展に対応して堂塔を整え、宗祖日蓮の祖廟(そびょう)を中心とする法則を定めて組織体制を確立した。また教義の組織化に努め、天台教学にも造詣(ぞうけい)が深かった。著作には『法華草案鈔(ほっけそうあんじょう)』10巻や、心血を注いだ著『補施集(ふせしゅう)』100余巻などがある。これらの書は、日朝の学徳を慕って集まった学徒が請来(しょうらい)した著書とともに身延文庫に収められている。

[渡邊宝陽 2017年9月19日]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「日朝」の解説

日朝 にっちょう

1422-1500 室町-戦国時代の僧。
応永29年1月5日生まれ。日蓮宗。伊豆(いず)三島本覚寺の日出に師事し,のち武蔵(むさし)仙波(せんば)(埼玉県)の檀林(だんりん)で修学。寛正(かんしょう)3年身延山久遠寺11世となり,堂塔の整備,門下の育成,教学の発展につとめた。明応9年6月25日死去。79歳。伊豆宇佐美(静岡県)出身。字(あざな)は鏡澄。通称は加賀阿闍梨(あじゃり)。号は行学院。著作に「元祖化導記」「補施(ふせ)集」など。

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朝日日本歴史人物事典 「日朝」の解説

日朝

没年:明応9.6.25(1500.7.21)
生年:応永29(1422)
室町時代の日蓮宗の僧。行学院という。寛正3(1462)年,身延山第11世の貫主となる。37年間の在任中,伽藍の整備や行事の制定を進める一方,日蓮遺文を収集,日蓮の伝記『元祖化導記』を著した。

(佐藤弘夫)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日朝」の意味・わかりやすい解説

日朝
にっちょう

[生]応永29(1422)
[没]明応9(1500)
室町時代の日蓮宗の僧。8歳で出家し,寛正1 (1460) 年身延山第 11世となり,身延山を盛んにした。著書は非常に多く『法華経講義分』『法華草案抄』『法華講演抄』など。

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367日誕生日大事典 「日朝」の解説

日朝 (にっちょう)

生年月日:1422年1月5日
室町時代;戦国時代の日蓮宗の僧。身廷山第11世の貫主
1500年没

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普及版 字通 「日朝」の読み・字形・画数・意味

【日朝】につちよう

参朝。

字通「日」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の日朝の言及

【久遠寺】より

…しかし,やがて行われなくなり,日興(につこう)が主としてこれに当たり,日向(にこう)も身延に来て学頭を務めたが,身延の地を寄進した日蓮の檀越(だんおつ)波木井(はきい)実長と日興との間に不和が生じ,日興は88年(正応1)駿河に去ったので,日向が住持=貫首(かんず)となり,身延門流=日向門流の拠点とした。室町時代の貫首日朝は,堂宇を現在地に移し拡充したばかりでなく,その後嗣日意・日伝とともに,各地に身延門流の教線を伸ばし,それまでの波木井氏の氏寺的存在であった久遠寺を日蓮廟所を中心とする霊場寺院化していった。さらに,すでに日蓮在世のころにみられた身延への納骨もさかんとなり,人々の祖霊のいる霊山霊場としての身延信仰も加わっていった。…

※「日朝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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