普及版 字通 「旁(漢字)」の読み・字形・画数・意味
旁
10画
(異体字)
8画
[字訓] あまねし・かたわら・かたよる
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 形声
声符は方(ほう)。〔説文〕一上に「溥(ひろ)きなり」とし、字形について「二に從ふ。闕。方聲」という。重文三を録するが、本来の字形と思われるものがない。字はおそらく(凡)(はん)と方とに従い、は風の従うところで汎の意。方に四方、「方(あまね)し」の意がある。ゆえに旁及・旁達の意となり、旁出・旁側の意となり、偏頗の意となる。傍はその限定義を示す字である。
[訓義]
1. あまねし、ゆきわたる、ひろい、おおきい。
2. かたわら、わき、わかれる。
3. かたよる、よる、そう。
4. 傍と通じ、ちかづく、たすける。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕旁 カタカタ・オホキナリ・ヒコロ・ミチビク・ムラガル・ツタフ・ヒロシ・ホトリ・カタハラ・コレ・シタガフ・アマネシ 〔字鏡集〕旁 ワヅラフ・コレ・シタガフ・カタカタ・ヒコロ・ウスシ・ミチビク・オホキナリ・ムラガル・ツタフ・ヒロシ・ヒトヘニ・カタシ・ホトリ・アマネシ・カタハラ
[声系]
〔説文〕に旁声として・謗・膀・榜・傍・滂・など十二字を収める。・滂は旁達、膀・謗は側旁の意を承けるものであろう。旁声の字はおおむね旁の声義を承けるところがある。
[語系]
旁bangは普・溥pha、布pa、(敷)phiuaと声義に通ずるところがあり、ひろくゆきわたる意がある。また旁皇・傍bang-huangは、徘徊buihui、彷徨bang-huang、盤桓buan-huanと同じ語で、その状態をいう形況の語である。
[熟語]
旁愛▶・旁▶・旁引▶・旁縁▶・旁恩▶・旁開▶・旁貫▶・旁観▶・旁騎▶・旁及▶・旁求▶・旁境▶・旁極▶・旁近▶・旁系▶・旁径▶・旁継▶・旁睨▶・旁撃▶・旁決▶・旁▶・旁言▶・旁午▶・旁忤▶・旁皇▶・旁遑▶・旁光▶・旁行▶・旁国▶・旁坐▶・旁殺▶・旁妻▶・旁視▶・旁至▶・旁枝▶・旁施▶・旁諮▶・旁侍▶・旁室▶・旁舎▶・旁射▶・旁若▶・旁集▶・旁聚▶・旁緝▶・旁出▶・旁証▶・旁招▶・旁矚▶・旁進▶・旁親▶・旁人▶・旁訊▶・旁済▶・旁説▶・旁▶・旁瞻▶・旁捜▶・旁宗▶・旁綜▶・旁側▶・旁仄▶・旁属▶・旁▶・旁達▶・旁眺▶・旁通▶・旁転▶・旁覩▶・旁唐▶・旁▶・旁排▶・旁▶・旁薄▶・旁▶・旁魄▶・旁畔▶・旁婦▶・旁辺▶・旁旁▶・旁民▶・旁流▶・旁隣▶
[下接語]
海旁・岐旁・四旁・旁・偏旁・両旁・路旁
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報