デジタル大辞泉 「新世界」の意味・読み・例文・類語
しんせかい【新世界】[地名・書名]
小尾十三の小説。昭和40年(1965)刊。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
15世紀から16世紀にかけてヨーロッパ人(とくにスペイン人)が発見した現在の南北アメリカ,カリブ海諸島の呼称。この言葉は1502年から04年ころにパリで発行されたとされるアメリゴ・ベスプッチの書簡体の小冊子《新世界Mundus novus》で初めて用いられた。1499年から1504年にいたるまで,イタリア人ベスプッチはスペイン国王,のちにはポルトガル国王に仕えて,現在の中央アメリカからブラジル,アルゼンチンに達する海岸線を調査し,コロンブスらが発見した土地がヨーロッパとアジアの中間に位置する新大陸,すなわち新世界であることを認めた。しかし,この認識は,〈世界はアジア,アフリカとヨーロッパの三大陸からなる〉という当時の一般的な地理観からは受け入れられなかった。ただドイツ人地理学者マルティン・ワルトゼーミュラーがベスプッチの新大陸説を支持し,西半球の土地にアメリゴにちなんでアメリカという名を付した。もっとも,アメリカという呼称は当初限られた地域(例えばブラジル,アルゼンチン,チリ)に用いられ,それを大陸全土に適用したのは有名な地図製作者メルカトルである(1538)。しかし,スペインおよびその植民地では19世紀にいたるまでインディアスという言葉が一般に用いられた。〈新世界〉という呼称は以後数多くの著述家によって用いられるが,それは厳密な地理学上の用語というよりはむしろ,ヨーロッパ人によって新しく発見された世界,ヨーロッパ人からみて,自分たちとは異なる人間,自然,文化が存在する異質な世界という意味で用いられることが多かった。したがって16世紀から19世紀にかけて出版された〈新世界〉を扱った大半の作品には,エキゾティシズムとヨーロッパ,すなわちラテン・キリスト教世界を世界の中心と考えるエスノセントリズムが流れている。
執筆者:染田 秀藤
中国,上海で1915年に作られた総合遊戯場。すでに上海には屋上庭園とよばれる展望台と娯楽演芸とを組み合わせた施設が流行していたが,演劇,歌舞,講談,曲芸,幻灯,スケート場等の新旧娯楽を1ヵ所に集中して,食堂,喫茶部等をも配し,比較的安い料金で多くの演目を楽しめるようにした新趣向の娯楽施設である。創業時の入場料は2角,1ヵ月の月極めは3元。内外の文明の接点である開港場にふさわしいものとして大衆にうけ,家族ぐるみの行楽の場として上海市民の娯楽に新生面を開いたのみならず,しだいに他都市にもひろがっていった。17年には大規模な大世界が出現し,その後さらに似たようなものが数多く生まれた。同年には中国最初の百貨店である先施公司も出現したが,中華民国となって数年,上海の市民生活は大きく変貌しはじめた。なおかつての大世界は,解放後,上海市の少年宮とされている。
執筆者:狭間 直樹
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
アメリゴ・ヴェスプッチが,1501~02年の航海で,南アメリカ東岸に沿って南緯52度あたりまで航海した結果,この大陸塊をそれまで知られていなかった新しい世界だと考え,03年末頃に「新世界(Mundus novus)」というパンフレットを刊行した。その情報にもとづいて,07年人文学者マルティン・ヴァルトゼーミュラーが,フランスのサンディエでプトレマイオスの『宇宙誌入門』の新版を刊行したとき,それに付した世界図に細長くアメリカ大陸を描き込み,それを,独立の新世界と認識した人物にちなんで,アメリカと呼ぶことを提案した。ただし,アメリカが独立の新世界として一般に認識されるのは16世紀末まで待たねばならず,それまではインディアスという中世的な呼称が平行して使われ続けた。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…のち1501‐02年と03‐04年,ポルトガル国王マヌエルの要請で東インドへの航路の発見などを目的としてブラジル沿岸へ航海。ベスプッチはこのとき目撃した土地がアジアではないと確信し,数通の書簡の中で〈新世界Mundus Novus〉という言葉を用いて新大陸であることを記した。これらの書簡は1503年に公刊されると,たちまちにして多数の読者を獲得し,各国語に翻訳された。…
※「新世界」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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