新エネルギー・産業技術総合開発機構(読み)しんえねるぎーさんぎょうぎじゅつそうごうかいはつきこう

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

新エネルギー・産業技術総合開発機構
しんえねるぎーさんぎょうぎじゅつそうごうかいはつきこう

太陽光発電、ソーラーシステム、地熱エネルギー水素エネルギー石炭液化・ガス化、燃料電池などの新エネルギーについて、開発、輸送、利用、貯蔵に関する技術開発のための中核推進母体として設立された、経済産業所管国立研究開発法人独立行政法人)。英語名はNew Energy and Industrial Technology Development Organization、略称NEDO(ネド)。「国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法」(平成14年法律第145号)を根拠法とする。前身は1980年(昭和55)に設立された特殊法人で、当初名称は新エネルギー総合開発機構であった。1988年10月、産業技術研究開発を事業の一環に加え現名称に変更、2003年(平成15)10月に独立行政法人化され、2015年4月に国立研究開発法人に移行した。本部は神奈川県川崎市幸(さいわい)区大宮町。

 オイル・ショック契機として、日本では新エネルギー開発の必要性が認識された。その結果、通産省工業技術院(現、産業技術総合研究所)を中核として国家プロジェクト「サンシャイン計画」がスタートしたが、NEDOは、新エネルギープロジェクトの技術開発推進にあたって重要な役割を果たしてきた。また、技術開発のほか開発途上国への技術移転のための国際協力事業も実施している。また、新エネルギー技術以外にも、先駆的、基礎的な産業技術の研究開発に事業分野を拡大しており、1990年度(平成2)からは地球環境産業技術の研究開発などにも着手している。1993年度から2000年度まで、「サンシャイン計画」による新エネルギー技術開発、「ムーンライト計画」による省エネルギー技術開発、さらに地球環境技術開発を一体化して推進する「ニューサンシャイン計画」が実施されたが、NEDOはその中核的推進母体の一つであった。

[小山 堅 2017年11月17日]

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大学事典 の解説

新エネルギー・産業技術総合開発機構
しんエネルギー・さんぎょうぎじゅつそうごうかいはつきこう

1970年代に世界を襲った2度のオイルショックとエネルギーの多様化が求められるなかで,新たなエネルギー開発の先導役として1980年に「特殊法人新エネルギー総合開発機構(日本)」として設立された。1988年に産業技術研究開発業務を追加し,現在の名称である「新エネルギー・産業技術総合開発機構」に改組された。2002年に「独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法」が成立・公布され,2003年に独立行政法人化された。2015年には,独立行政法人のなかでも研究開発を主たる事業とする国立研究開発法人となった。日本最大級の公的研究開発マネジメント機関として,新エネルギーの利用拡大と省エネルギーの推進による「エネルギーの安定供給と地球環境問題の解決」と,産官学の結集をとおして新技術の市場化を目指した「産業技術力の強化」の二つのミッションをもつ。本部は神奈川県川崎市にある。職員数は約940名(2017年4月現在)
著者: 木戸裕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

新エネルギー・産業技術総合開発機構
しんえねるぎー・さんぎょうぎじゅつそうごうかいはつきこう

独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法 (平成 14年法律 145号) に基づき,2003年 10月に設立された独立行政法人。 1980年,石油代替エネルギーの総合開発を行なう特殊法人新エネルギー総合開発機構として発足。 1988年,新エネルギー・産業技術総合開発機構に改組・拡充されたのち,独立行政法人に移行した。経済産業省の所管。国内外の経済的社会的環境に応じたエネルギーの安定的かつ効率的な供給の確保ならびに経済および産業の発展に資することを目的とし,(1) 新エネルギー・省エネルギー技術の開発および導入普及事業,(2) 産業技術の研究開発関連事業,(3) 石炭経過業務事業,(4) アルコール製造および販売事業,などを行なう。個々の民間企業だけでは実施できない研究開発を,産官学のネットワークと公的資金を活用して推進する役割を果たす。本部は神奈川県川崎市。

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