斯(漢字)

普及版 字通 「斯(漢字)」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 12画

[字音]
[字訓] さく・これ

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
其(き)+斤(きん)。〔説文〕十四上に「析(さ)くなり」とし、其声とするが、声が合わず、また其は箕(き)の初文であるから、斤を加うべきものではない。おそらく(き)(机)の上にものを置き、これを析く意であろう。〔詩、陳風、墓門〕「門に棘(きょく)り 斧(ふ)を以て之れを斯(さ)く」、また〔列子、黄帝〕「齊國を斯(はな)るること里なるかを知らず」のように用いる。指示代名詞としては、ものを強く特定する意があり、〔論語〕に「斯」「斯の人」「斯の民」のようにいう。「斯須」は連語、「すなわち」のように副詞にも用いる。

[訓義]
1. さく、わる、わける、はなつ。
2. と通じ、つきる。
3. 廝と通じ、いやしい。
4. 斯須、しばらく。
5. 是・・此と通じ、代名詞、この、これ。また副詞、ここに、すなわち。

[古辞書の訓]
名義抄〕斯 コトゴトク・カク・シバラク・カクノゴトク・コレ・カカル・ココニ・マタ・ツクス・シロシ 〔字鏡集〕斯 コノ・コレ・ヲル・カカル・カクノゴトク・コトゴト・シロシ・コトニ・シバラク・マタ・ツノル

[語系]
斯・sieは同声。此tsie、是zjie、tziは声近く、近称の代名詞に用いるが、みな仮借の字。また析syekは析離、斯の本義はこれに近い。

[熟語]
斯役斯学斯干・斯斯禁・斯須斯食斯人斯世斯道・斯薄斯文・斯民・斯養斯濫
[下接語]
飲斯・詠斯・恩斯・瓦斯ガス)・赫斯・勤斯・斯・波斯ペルシャ)・微斯・斧斯

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android