斧(漢字)

普及版 字通

斧
人名用漢字 8画

[字音] フ
[字訓] おの・まさかり

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 形声
声符は（父）(ふ)。は斧頭をもつ形、その第一画が斧頭の象形である。〔説文〕^十四上に「斫(き)るなり」とあり、その器をいう。斧は指揮権・刑罰権の象徴とされ、これを執るものがであった。は族内長老の称とされ、また尊称として用いる。王・士・斧はみな刃器、王・士は鉞(まさかり)の刃部の形、それを儀器として用いた。

[訓義]
1. おの、まさかり。
2. きる、おのできる。
3. 黼(ふ)と通じ、斧形の文様。斧依。

[古辞書の訓]
〔和名抄〕斧　乎能（をの）、一に云ふ、與（よき）〔名義抄〕斧　ヲノ・ヨキ　〔立〕斧　ヲノ・タツキ・テウノ　〔字鏡集〕斧　キル・ヲノ・ヨキ

[語系]
斧・黼piuaは同声。〔礼記、明堂位〕「天子は斧依をふ」の斧依を〔周礼、春官、司几〕に「黼依」に作る。依は(い)、ついたての類。白黒の半ばする文様を黼といい、斧を用いるのは同声仮借の義である。

[熟語]
斧依▶・斧▶・斧戉▶・斧鉞▶・斧屋▶・斧柯▶・斧▶・斧斤▶・斧鑿▶・斧刪▶・斧子▶・斧資▶・斧質▶・斧▶・斧▶・斧▶・斧正▶・斧政▶・斧藻▶・斧氷▶・斧劈▶・斧木▶
[下接語]
運斧・鬼斧・揮斧・挙斧・玉斧・斤斧・勁斧・袞斧・鑿斧・斧・資斧・手斧・斧・樵斧・杖斧・神斧・石斧・破斧・負斧・雷斧

出典　平凡社「普及版 字通」