斥候(読み)せっこう

精選版 日本国語大辞典 「斥候」の意味・読み・例文・類語

せっ‐こう セキ‥【斥候】

〘名〙 敵情地形その他の諸種状況を偵察・捜索するため、部隊から派遣する小兵力の人員
令義解(718)職員「守一人。〈〈略〉其陸奥出羽越後等国。兼知饗給。征討。斥候。〈謂。斥逐也。言候逐於非常也〉〉」
太平記(14C後)三四「赤松筑前入道世貞・同帥律師則祐は、大渡打散て、斥候(セキコウ)の備へを全(まったう)し」 〔史記‐李広伝〕

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デジタル大辞泉 「斥候」の意味・読み・例文・類語

せっ‐こう〔セキ‐〕【斥候】

敵の状況や地形などを探ること。また、そのために部隊から派遣する少数兵士。「斥候を放つ」
[類語]偵察探り軍人兵士兵隊兵卒つわもの戦士闘士戦闘員従卒士卒将卒精兵弱兵雑兵ぞうひょう新兵初年兵古兵ふるつわもの老兵敵兵・敗残兵・伏兵番兵歩哨歩兵騎兵砲兵工兵水兵海兵セーラー憲兵

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普及版 字通 「斥候」の読み・字形・画数・意味

【斥候】せきこう

ひそかに敵状をさぐる。〔続資治通鑑、宋紀〕(理宗、嘉熙元年)古の安篤爾、宗王に言ひて曰く、西の州縣方(まさ)にらぎたるも、人心ほ貳(たが)ふと。~斥候をみ、羅を嚴にす。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「斥候」の意味・わかりやすい解説

斥候
うかみ

古代間諜。敵の様子を探る者。「うかがい見る」の略であろう。『日本書紀継体天皇推古天皇の条に「候」と出ており,大化2 (646) 年,大化改新の詔に初めて「斥候」とみえる。壬申の乱の直前,近江朝廷側が大海人皇子側の様子を探るために利用したらしい。

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旺文社日本史事典 三訂版 「斥候」の解説

斥候
うかみ

律令制下の兵制の一つ
辺境に配置され外敵の偵察にあたった。大化の改新の詔に関塞 (せきそこ) ・防人 (さきもり) と並んで設置されることが定められ,『日本書紀』にも「所々に斥候をおく」とあるが詳細は不明である。

斥候
せっこう

うかみ

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百科事典マイペディア 「斥候」の意味・わかりやすい解説

斥候【せっこう】

地上戦闘の際,敵情,地形などを偵察,あるいはひそかに監視するため,本隊から派遣される単独兵または小人数の部隊。その偵察行為そのものをさすこともある。

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