斎藤勇(読み)サイトウタケシ

デジタル大辞泉 「斎藤勇」の意味・読み・例文・類語

さいとう‐たけし【斎藤勇】

[1887~1982]英文学者。福島の生まれ。東大教授、東京女子大学長、国際基督教大学教授。著作に「英詩概論」「イギリス文学史」など。昭和50年(1975)文化功労者

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「斎藤勇」の意味・わかりやすい解説

斎藤勇
さいとうたけし
(1887―1982)

イギリス文学者。福島県生まれ。東京帝国大学英文科卒業。東大教授、東京女子大学長、国際基督(キリスト)教大学教授を歴任。文学博士、日本学士院会員、文化功労者。早くから植村正久の影響を受け、キリスト教的文学研究の姿勢を持し、スペンサーミルトンコールリッジワーズワースキーツシェリーブラウニングテニソン、あるいはシェークスピアなど、幅広い作品研究に専心。とくに詩の分野において高い学殖を示し、イギリス詩の韻文美と日本文学を対比させた『英詩概論』(1935)は著名。また『思潮を中心とせる英文学史』(1927)は、中世から20世紀に至る文学史を基に、イギリス人の国民性を分析しようと試みた。一方、アメリカ文学にも明るく、『アメリカ文学史』(1941)ほか該博な知識を駆使した『研究社英米文学辞典』(1937)、『研究社世界文学辞典』(1954)の編纂(へんさん)がある。遺著にエッセイ『蔵書閑談』(1983)。

[岩崎武夫]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「斎藤勇」の解説

斎藤勇 さいとう-たけし

1887-1982 昭和時代の英文学者。
明治20年2月3日生まれ。アメリカ文学者の斎藤光(ひかる),政治学者斎藤真(まこと)の父。昭和6年母校東京帝大の教授となる。23年東京女子大学長,29年国際基督(キリスト)教大教授。大学時代植村正久の薫陶をうける。キリスト者立場から,英米文学全般にわたる研究をすすめた。50年文化功労者。昭和57年7月4日死去。95歳。福島県出身。著作に「英詩概論」「イギリス文学史」など。

斎藤勇 さいとう-いさむ

1903-1987 昭和時代の労働運動家。
明治36年10月27日生まれ。昭和2年総同盟神奈川県連合会書記となり,以後一貫して総同盟の運動に従事する。戦後,全繊同盟の創立に参加,25年書記長となった。昭和62年8月31日死去。83歳。長野県出身。立教中学中退。著作に「東風西風」。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「斎藤勇」の意味・わかりやすい解説

斎藤勇
さいとうたけし

[生]1887.2.3. 福島,富野
[没]1982.7.4. 東京
英文学者。第二高等学校,東京大学に学び,東京女子高等師範学校教授を経て東大教授 (1931) 。東京女子大学学長 (48) 。学士院会員。博覧強記をもって知られ,『英文学史』 (27) ,『英詩概論』 (35) ,『アメリカ文学史』 (41) ,『シェイクスピア概観』 (46) のほか,『杜甫』 (46) ,著作集7巻がある。

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