イギリス文学者。福島県生まれ。東京帝国大学英文科卒業。東大教授、東京女子大学長、国際基督(キリスト)教大学教授を歴任。文学博士、日本学士院会員、文化功労者。早くから植村正久の影響を受け、キリスト教的文学研究の姿勢を持し、スペンサー、ミルトン、コールリッジ、ワーズワース、キーツ、シェリー、ブラウニング、テニソン、あるいはシェークスピアなど、幅広い作品研究に専心。とくに詩の分野において高い学殖を示し、イギリス詩の韻文美と日本文学を対比させた『英詩概論』(1935)は著名。また『思潮を中心とせる英文学史』(1927)は、中世から20世紀に至る文学史を基に、イギリス人の国民性を分析しようと試みた。一方、アメリカ文学にも明るく、『アメリカ文学史』(1941)ほか該博な知識を駆使した『研究社英米文学辞典』(1937)、『研究社世界文学辞典』(1954)の編纂(へんさん)がある。遺著にエッセイ『蔵書閑談』(1983)。
[岩崎武夫]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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