斎(斎戒)(読み)さい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「斎(斎戒)」の意味・わかりやすい解説

斎(斎戒)
さい

「とき」とも読む。身心を慎んで、清浄(しょうじょう)な生活をすること。斎戒ともいう。サンスクリット語のウポサダupoadhaの訳で、非時食(ひじじき)を離れるの意味。すなわち、正午を過ぎては食事をしないことをいう。インドの出家者には、正午を過ぎてからの食事を禁ずる戒律があったのによる。それより転じて、出家者に食物供養(くよう)することをもいう。また、在家の信者が月、日を定めて斎戒をすることをいい、六斎(ろくさい)日(毎月の8、14、15、23、29、30日)に、8種の戒を守り、出家者に近い清浄な生活をすることをもいう。なお、僧の場合は、毎月15、30日にその間の行為を反省し懺悔(ざんげ)する集まりを布薩(ふさつ)という。俗に「おとき」というのは、忌日に僧へ食事を施す供養をさす。禅宗では、朝食の粥(しゅく)に対し昼食の飯(はん)をさしていう。

[川口高風]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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