普及版 字通 「斉(漢字)」の読み・字形・画数・意味
斉
常用漢字 8画
(旧字)齊
人名用漢字 14画
[字訓] ととのう・ひとしい・つつしむ・いむ
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 象形
髪の上に、三本の(しんけい)を立てて並べた形。祭祀に奉仕するときの婦人の髪飾り。祭卓の形である示を加えると齋(斎)となり、斎敬をいう。〔説文〕七上に「禾麥(くわばく)穗を吐きて、上らかなり」と禾穂の象とするが、髪飾りの整うことをいう字である。を中央に集める形は參(参)で、(かんざし)の「参(まじ)わり」「参差(しんし)」として美しい意となる。〔詩、召南、采〕「齊(うるは)しき季女り」の齊を、〔玉〕に引いてに作り、婦人飾の姿をいう。殷周期の方鼎を、自名の器に「(せい)」としるしており、斉に方斉の意がある。訓義の多い字であるが、斉敬の義の引伸義が多い。
[訓義]
1. そろう、ととのう、髪飾りがととのう。
2. つつしむ、おごそか、うやうやしい、神につかえる、いむ。
3. おなじ、ひとしい、正しい。
4. つとめる、すみやか。
5. まぜあわせる、和する、あんばいする。
6. 国の名。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕齊 ヒトシ・トトノフ・カギル・タダス・ヒロシ・ミチノリ・イタル・シヅカナリ・ヲノノク・イム・イモヒ・カザルナリ・オロソカナリ・モタリ・マグ・ナル・タダシ 〔立〕齊 カギル・イツクシ・ヒロシ・ヲノノク・ワタスキ・シヅカナリ・ヒトシ・イム・ミチ・タダス・ノリ・トキ・イモヰ・トシ
[部首]
〔説文〕七上に「は等しきなり」の一字を属するが、と立意の同じ字で、一家の婦人が、その家に奉仕するときの姿をいう。
[声系]
〔説文〕に齊声として齋・・・躋・・齎・儕・・濟(済)・霽・擠・など十七字を収める。斉女・斉鼎の意をとるもの以外に、声のみをとるものも多い。
[語系]
齊dzyei、齋tzhieiは声近く、斉敬・斉荘を以て斎(いつ)く意である。劑(剤)dzyeiは齊と同声。方鼎に刻文を加える意で、その盟誓・契約の辞を約剤という。徇ziuen、捷dziapも声の通ずるところがあり、それで疾・徇・捷、すなわち捷疾・敏捷の意がある。敏・捷も婦人が髪飾りをつけ、祭事に奔走することをいう語である。
[熟語]
斉戒▶・斉牛▶・斉潔▶・斉事▶・斉舎▶・斉酒▶・斉宿▶・斉如▶・斉酎▶・斉服▶・斉祓▶・斉明▶・斉沐▶・斉慄▶・斉力▶・斉衰▶・斉盛▶・斉▶・斉一▶・斉壱▶・斉家▶・斉娥▶・斉諧▶・斉喊▶・斉歓▶・斉▶・斉軌▶・斉給▶・斉▶・斉均▶・斉駆▶・斉愚▶・斉敬▶・斉契▶・斉限▶・斉厳▶・斉口▶・斉衡▶・斉死▶・斉歯▶・斉疾▶・斉車▶・斉首▶・斉粛▶・斉捷▶・斉唱▶・斉心▶・斉聖▶・斉整▶・斉正▶・斉声▶・斉斉▶・斉全▶・斉楚▶・斉荘▶・斉東▶・斉等▶・斉同▶・斉年▶・斉眉▶・斉備▶・斉▶・斉物▶・斉民▶・斉名▶・斉盟▶・斉量▶・斉列▶・斉和▶
[下接語]
一斉・飲斉・雲斉・叡斉・火斉・均斉・敬斉・斉・五斉・羹斉・粛斉・斉・上斉・正斉・整斉・天斉・徳斉・不斉・平斉・明斉・六斉・和斉
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報