文豪ストレイドッグス(読み)ぶんごうすとれいどっぐす

知恵蔵 「文豪ストレイドッグス」の解説

文豪ストレイドッグス

日本のアクションマンガ。中島敦太宰治芥川龍之介といった文豪と同名のキャラクターたちが、現代の横浜舞台に特殊能力を用いて戦いを繰り広げる。シナリオライター朝霧カフカが原作イラストレーターの春河35(はるかわさんご)がマンガを担当し、青年マンガ雑誌「ヤングエース」(KADOKAWA)で2013年1月号 から連載されている。単行本は16年4月現在、9巻までが発売されており、累計250万部を突破している。
孤児院を追い出された中島は、川でおぼれかかっていた太宰を助けたことをきっかけに、軍や警察が踏み込めない凶悪事件などを解決することを目的とした、太宰が所属する組織「武装探偵社」に就職した。中島は、そこで得た仲間と共に対立する国内マフィアや北米組織との戦いを展開していく。他に原作の朝霧が手掛けた小説版3作(角川ビーンズ文庫)と、現代作家である綾辻行人や京極夏彦辻村深月をキャラクター化したシリーズ外伝の小説(角川書店)が販売され、いずれも人気となっている。16年4月からは、TOKYO MX系列などでテレビアニメがスタートした。
ヤングエースの編集者が、動画サイトに物語性のある動画を投稿していた朝霧にマンガの企画を依頼し、打ち合わせの中で「文豪をイケメン化した作品をやろう」というアイデアが生まれ、制作につながったという。中島や太宰、芥川国木田独歩江戸川乱歩といった国内作家の他に、フランシススコット・キー・フィッツジェラルドやルーシー・モード・モンゴメリなど海外作家の名前をとったキャラクターも登場する。それぞれの特殊能力は各作家の代表作やエピソードを冠しており、例えば中島は虎に変身する「月下獣」、太宰は相手の能力を無効にする「人間失格」、フィッツジェラルドは自分自身の能力を強化する「華麗なるフィッツジェラルド」を駆使して戦う。
KADOKAWAによると、中学・高校生の男女がメーンターゲットで、読者の約7割が女性であるという。マンガをきっかけに文豪の小説を読む例や、大学の文学部に進学する例など、若者の文学世界への入り口のような役割も果たしているという指摘もあり、14、15年と2年連続で連携して特別展を開催した神奈川近代文学館(神奈川県横浜市)には、多くの読者が足を運んだ。

(南 文枝 ライター/2016年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

デジタル大辞泉プラス 「文豪ストレイドッグス」の解説

文豪ストレイドッグス

①原作:朝霧カフカ、作画:春河35による漫画作品。『ヤングエース』2013年1月号から連載開始。太宰治、中島敦といった実在の文豪と同名のキャラクターが、特殊能力を使ってマフィアと戦うバトルアクション。
②①を原作とする日本のテレビアニメ。太宰治、中島敦といった文豪と同じ名前を持つキャラクターが、特殊能力で戦うバトルアクションもの。放映はTOKYO MXほか。2016年4月から6月まで第1期、同年10月から12月まで第2期、2019年4月~6月まで第3期を放映。制作:ボンズ。監督:五十嵐卓哉、声の出演:宮野真守、上村祐翔、細谷佳正ほか。劇場アニメ作品もある。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

知恵蔵mini 「文豪ストレイドッグス」の解説

文豪ストレイドッグス

朝霧カフカ原作、春河35作画によるマンガ作品。横浜を舞台に、「太宰治」など実在の日本の文豪の名を借りたキャラクター群が異能力集団「武装探偵社」に所属し、それぞれの文学作品の名前がついた特殊能力を使って事件解決に挑むバトルアクションマンガ。角川書店の少年マンガ誌「ヤングエース」2013年1月号より連載開始となり、13年4月4日、角川書店より単行本第1巻が発売された。

(2013-4-18)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android