文化遺産オンライン(読み)ぶんかいさんおんらいん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「文化遺産オンライン」の意味・わかりやすい解説

文化遺産オンライン
ぶんかいさんおんらいん

全国の国公私立の博物館美術館などに収蔵されている文化遺産のデータを登録し、インターネット上で検索・閲覧できるようにしたポータルサイト。このサイトにおける文化遺産とは、有形無形を問わず、広く歴史的価値を有する文化的所産を意味し、国が指定・選定した登録文化財に関する情報を中心に、ホームページ上のギャラリーなどで公開している。2016年(平成28)6月13日時点で990館、12万0333件のデータが登録されている。URLはhttp://bunka.nii.ac.jp/。国立情報学研究所の技術的な協力のもと、文化庁が運営している。

 文化遺産オンライン構想は、政府の推進するコンテンツのデジタル・アーカイブ事業の中核の一つで、2003年に文化庁と総務省が連携し、文化遺産情報化推進戦略会議を設置したことに始まる。その後、2008年に正式に公開され、画像情報を中心に視覚的に楽しめる構成のギャラリーと、画像のないものも含んだ文化遺産情報を広く検索できる文化遺産データベースの二つが利用可能である。文化遺産オンラインでは、2020年までの掲載完了と海外発信を目ざして登録を続けており、スマートフォンサイトや多言語サイトなども公開される。一方、博物館は希望によりクラウドデータベースを利用することができ、それにより各博物館の所蔵品のインターネット上での公開や管理業務における効率化を図ることが可能となる。また、災害時において、文化財がどのような状況にあるかを把握することなどのためにも役だてられる予定である。

[編集部 2016年6月20日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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