文化政治(読み)ぶんかせいじ

山川 日本史小辞典 改訂新版 「文化政治」の解説

文化政治
ぶんかせいじ

1919年(大正8)8月,朝鮮総督に就任した斎藤実(まこと)時代に始まる統治特徴日本側からみた呼称。この年,総督府官制改正で総督の就任用件から「陸海軍大将」制がはずされたこと(実際文官からの任命はなかった),三・一運動をうけて憲兵制度を廃止し警察制度にかえたことなどを背景としていた。

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旺文社世界史事典 三訂版 「文化政治」の解説

文化政治
ぶんかせいじ

三・一独立運動弾圧後の日本による朝鮮統治策
朝鮮総督府は従来武断政治を改めて,限定されたものではあるが言論出版集会結社の自由などを認める政策をとった。しかし,基本的には「一視同仁」を標榜して同化政策を進め,朝鮮人民族性を抹殺して警察増強によって独立運動の防止をはかった。

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旺文社日本史事典 三訂版 「文化政治」の解説

文化政治
ぶんかせいじ

大正時代,三・一運動後第3代朝鮮総督となった斎藤実が行った朝鮮統治政策
憲兵警察制度を廃止し,朝鮮人の言論・集会の自由を制限付きで認め,朝鮮語による新聞・雑誌発行を許可するなど,今までの抑圧的な政治を改め「文化政治」を標榜したが,武力的支配の本質は変わらなかった。

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世界大百科事典(旧版)内の文化政治の言及

【三・一独立運動】より

…朝鮮総督の長谷川好道は更迭されて斎藤実が第3代総督となった。斎藤は,非妥協的民族主義者を除外して自治派などの妥協的民族主義者をとりこむという朝鮮民族の分断を策して〈文化政治〉を唱えたが,三・一運動を経験した朝鮮人はさまざまな組織を作って頑強にこれと闘った。労働運動,農民,女性,青年などの運動や衡平運動(朝鮮の部落解放運動)などの大衆運動は,三・一運動をその出発点として本格的に展開されることになった。…

※「文化政治」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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