敷蒲団(読み)しきぶとん

精選版 日本国語大辞典 「敷蒲団」の意味・読み・例文・類語

しき‐ぶとん【敷蒲団】

〘名〙
① すわるとき、下に敷くふとん。ざぶとん。
※俳諧・独吟一日千句(1675)第一「継駕籠や白波たたむ敷蒲団 くれてもひとりよふ友ちとり」
浮世草子日本永代蔵(1688)一「達磨大師の敷蒲団(シキブトン)林和靖括頭巾、〈略〉何によらずないといふ物なし」
② 寝るとき、下に敷くふとん。⇔掛け蒲団。《季・冬》
随筆守貞漫稿(1837‐53)一六夜着蒲団〈略〉下に敷を敷蒲団と云」
小学読本(1874)〈榊原那珂稲垣〉二「蒲団は原仏家の語なれども今は卧褥(シキフトン)、坐褥(しとね)、通して此名を称ふ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の敷蒲団の言及

【寝具】より

…さらに幕末になると,衿,袖のつかない長方形の夜着が生まれた。これは四周に額縁のような縁をつけたもので,敷具の蒲団と同じ形であるために(幕末までは敷蒲団も上蓆と同じ額縁つきの形であった),夜着とよばず掛蒲団とか大蒲団とよび,敷くほうは敷蒲団とよぶようになった。しかし実際にはこうした寝具を使えたのはごく一部で,大部分の農村では薦や蓆,藁(わら),藁叺(わらかます),籾殻,山村ではマダ(科(しな))の樹皮や籐,苧屑(おくそ)を詰めた夜衾,また漁村では海草を麻袋に詰めるといった,原始時代以来の寝具が使われていた。…

※「敷蒲団」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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