散華・散花(読み)さんげ

精選版 日本国語大辞典 「散華・散花」の意味・読み・例文・類語

さん‐げ【散華・散花】

〘名〙 仏語。
① 花をまいて仏に供養すること。〔無量寿経‐下〕
② 四箇法要(または、二箇法要)の一つ。梵唄の後に樒(しきみ)の葉あるいは花を散布すること。また、紙製蓮華花びらを花筥(けこ)に入れて散布すること。
※九暦‐九条殿記・擬階奏・承平六年(936)四月八日「導師前例独身奉仕唄・散花、而此度不唄・散花、又五色水於一鉢混合」
声明(しょうみょう)の一種。②の際にうたわれるもの。壱越調(いちこつちょう)でうたわれる。
④ ②の法要をつかさどる僧。七僧の一つ。さんげし。
※左経記‐寛仁四年(1020)三月二二日「御堂供養請僧、〈略〉唄二人〈略〉散花四人」
⑤ 経典中の散文の部分をいう。〔法華経文句‐一〕 〔嘉祥法華義疏‐二〕
⑥ (花のように散る意) はなばなしく戦死すること。
※彼の歩んだ道(1965)〈末川博〉教学十話「これらの学徒が高めようとしていた知性を否定され、みがこうとしていた理性をふみにじられる矛盾止揚しえないままに、その矛盾のなかで散華したのを思うと」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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