散る(読み)チル

デジタル大辞泉 「散る」の意味・読み・例文・類語

ち・る【散る】

[動ラ五(四)]
花や葉が、茎や枝から離れて落ちる。「花が―・る」

㋐まとまっていたものがばらばらになって広がる。断片となって方々へ飛ぶ。「ガラスが粉々に―・る」「波が―・る」「火花が―・る」
㋑集まっていたものが別れ別れになる。散らばる。「全国に―・ってしまった同窓生
ちりぢりに消えてなくなる。「雲が―・る」「霧が―・る」
はれしこりなどがなくなる。「肩のこりが―・る」「毒が―・る」
にじんで広がる。しみて広い範囲にわたる。「墨が―・る」
気持ちがあちこちに移って落ち着かなくなる。心が一つのことに集中できなくなる。「気が―・る」
世間に知れわたる。広まる。「うわさが―・る」
人がいさぎよく死ぬ。多く戦死することをいう。「南の海に―・る」「花と―・る」
[類語](1落ちる降り敷くこぼれる凋落ちょうらくする落葉する枯れるしおれるしなびる萎えるしぼむ末枯れる枯らす枯れ落ちる立ち枯れ霜枯れ冬枯れ枯死/(2散ずる散らばる散らかる散らかす散らす四散する分散する拡散する散開する飛び散る飛散する飛ぶ雲散する離散する霧散する散逸する雲散霧消/(3遺失散逸滅失流失消失消滅消散忘失雲散霧散雲散霧消離散四散飛散立ち消え失う消える失せる失する無くなる無くす無くする無くなす喪失する亡失する紛失する落とす

あ・る【散る/離る】

[動ラ下二]離れる。ちりぢりになる。遠ざかる。
「さまに従ひて、ここをば―・れはてじ、となむ思ふを」〈・早蕨〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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