教育方法学(読み)きょういくほうほうがく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「教育方法学」の意味・わかりやすい解説

教育方法学
きょういくほうほうがく

教育方法の現実を対象にして研究し、教育実践を合理的で効果的なものにしようとする学問である。

 教育は家庭、学校、社会のさまざまな場で行われるから、そのいずれでも教育方法が問題とされる。教育方法の基本的要件としては、(1)教育の目的や目標達成を図るものであること、(2)「人をみて法を説け」といわれるように、教育を受ける者の状態を顧慮して決められること、(3)教育の行われる場の状況を考慮して進められること、(4)教育する者の人格が自然に発露すること、などがあげられる。

 教育方法学の対象は、主要なものをあげれば次の三つである。(1)教育目的を実現するためにどんな教育内容を選択し、いかに配列し、組織するかという教育課程の問題、(2)どのように学習を進め、それに対応してどう指導するかを明らかにする学習指導ないし教授の問題、(3)生活行動の障害を除き、いっそうの充実と向上を図るためにどう指導するかを究明する生活(生徒)指導や訓育の問題である。その研究は理論的、歴史的、実証的など種々の方法をとって進められるが、教育方法の実践を正しい根拠と一貫性のあるものにして、その質を高めることを目ざす。

[長谷川榮]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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