救荒作物(読み)きゅうこうさくもつ

百科事典マイペディア 「救荒作物」の意味・わかりやすい解説

救荒作物【きゅうこうさくもつ】

イネ,麦類など一般の作物凶作のとき,代用として食するために栽培する作物。時代や地域により異なるがヒエソバサツマイモジャガイモ等天候異変に強く荒地でも育成可能なもの。救荒植物という場合は,通常は食用にしないが飢饉(ききん)の際食用にする野生の植物をさす。

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デジタル大辞泉 「救荒作物」の意味・読み・例文・類語

きゅうこう‐さくもつ〔キウクワウ‐〕【救荒作物】

一般の農作物不作のときでも成育して、比較的よい収穫をあげられる作物。ソバヒエアワサツマイモなど。備荒作物

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精選版 日本国語大辞典 「救荒作物」の意味・読み・例文・類語

きゅうこう‐さくもつ キウクヮウ‥【救荒作物】

〘名〙 凶作に備えて栽培する作物。(ひえ)菊芋甘藷馬鈴薯など。備荒作物。

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世界大百科事典 第2版 「救荒作物」の意味・わかりやすい解説

きゅうこうさくもつ【救荒作物 emergency crop】

凶作時にもある程度の収量が得られ,主食の代用となって飢餓をしのぐために栽培する作物。備荒作物ともいう。凶作のおもな原因には気象災害や病虫害などがあり,とくに冷害干害は広い地域で被害が発生することが多いため,事態はより深刻となる。救荒作物はこのような不良な気象条件下でも,ある程度の収量をあげるものでなくてはならない。このために,低温に強く,しかも短い夏の間にも生育を完了することのできる生育期間の短い作物であること,また,日照り続きの乾燥時にも枯れないじょうぶな作物であることが要求される。

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