故国原王(読み)ここくげんおう(英語表記)Kogukwǒn-wang

改訂新版 世界大百科事典 「故国原王」の意味・わかりやすい解説

故国原王 (ここくげんおう)
Kogukwǒn-wang
生没年:?-371

朝鮮高句麗の第16代の王。在位331-371年。美川王の子で,国岡上王ともいう。燕の慕容皝侵入をうけ,342年王母を質に取られ,また父王の墓もあばかれたが,翌年に弟を送って燕に臣下の礼をとり,父王のしかばねをとりもどした。その後,燕をおそれて朝鮮半島に南進策をとった。371年百済の近肖古王と衝突し,流矢に当たって戦死した。王は都の国内城に近い故国原に葬られたという。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の故国原王の言及

【高句麗】より

…これらの亡命者は高句麗に新しい文化をもたらし,国政をととのえ,軍備を拡張し,複雑な国際環境の中で,積極的に外交をすすめた。339,342年の再度にわたって慕容皝の前燕は高句麗を侵略し,故国原王は戦いに敗れ,単身東方に逃亡した。前燕は高句麗が大敗してもすぐ再起するのを恐れ,王母,王妃だけでなく,先王のしかばねまでもち帰った。…

※「故国原王」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android