(読み)まつりごと

精選版 日本国語大辞典 「政」の意味・読み・例文・類語

まつり‐ごと【政】

〘名〙
① 神を敬い慰撫・鎮魂し、祈願感謝すること。神をまつること。祭祀
源氏(1001‐14頃)行幸「尚侍の宮づかへする人なくては、かの所のまつりことしどけなく」
② (古代においては、神をまつり、神の意を知ってそれを行なうことが、そのまま国を統治することであったところから、転じて) 君主・主権者が、その国の領土・人民を統一し治めること。政治。政道。
書紀(720)継体元年三月(前田本訓)「皇后手白香皇女を立てて内(うちつこと)に脩教(マツリコト)せしむ」

まつり‐ご・つ【政】

〘他タ四〙 (「まつりごと」の動詞化)
① 政治を行なう。世の中を統治する。まつりごとをする。
※宇津保(970‐999頃)国譲下「左大臣のおとど世中をまつりごち」
世話をやく。手配する。さしずする。
※栄花(1028‐92頃)見はてぬ夢「三位中将御事をいみじき事におぼして〈略〉我は大殿籠らでよろづをまつりごち給」

せい【政】

〘名〙
① 不正をただすこと。また、国をおさめること。まつりごと。あるいは、おきて。〔和英語林集成初版)(1867)〕 〔論語‐為政〕
② 教え。道。
魚玄機(1915)〈森鴎外〉「玄機はさう云ふ時にも客を迎へずに、籠居して多く詩を作り、それを温に送って政(セイ)を乞うた」 〔大戴礼盛徳

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デジタル大辞泉 「政」の意味・読み・例文・類語

せい【政】[漢字項目]

[音]セイ(漢) ショウ(シャウ)(呉) [訓]まつりごと
学習漢字]5年
セイ
国家・社会を正しくおさめること。まつりごと。「政権政策政治政党政府政令悪政為政王政行政憲政国政参政市政施政失政善政内政農政暴政
筋道を立ててやりくりすること。「家政財政
ショウ〉まつりごと。「摂政太政官だいじょうかん・だじょうかん
[名のり]おさ・かず・きよ・こと・すなお・ただ・ただし・ただす・なり・のぶ・のり・まさ・まさし・ゆき
難読主政じょう政所まんどころ

まつり‐ごと【政】

《「祭り事」の意。上代では祭政一致であったところから》国の主権者がその領土・人民を統治すること。政治。政道。「を執る」「が乱れる」
[類語]政治国事行政施政政策国政政事政道万機ばんき経世経国経綸けいりん治国治世統治治政為政いせい

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